ゲームソフト企画・開発・販売のサイバーコネクトツーが、タテ読みマンガ制作のベンチャー企業ナンバーナインに出資する。2023年10月31日、ナンバーナインはサイバーコネクトツーと資本業務提携を結ぶことを発表した。
サイバーコネクトは、ナンバーナインの大株主であるINCLUSIVEより、同社が保有する株式の一部の譲渡を受ける。ナンバーナインはサイバーコネクトツーを株主に迎えることで、自社オリジナルIPの開発とメディアミックス戦略の強化が可能になるとしている。サイバーコネクトツーからはおもしろいゲームづくりのノウハウを吸収し、さらに将来的には自社のIPのサイバーコネクトツーでのゲーム化も目指す。
サイバーコネクトツーは福岡に本社を持ち、福岡と東京でゲームの企画・開発を続けている。「.hack」シリーズや「NARUTO-ナルト- ナルティメット」シリーズ、『ドラゴンボールZ KAKAROT』など世界的なヒットタイトルをいくつも輩出してきた。
アニメからもインスパイアされた映像演出やアクションが特徴になっている。ゲーム開発だけでなく、アニメやマンガなどの関連事業にも積極的だ。今回の出資もそうしたマンガ分野の新しい動きをいち早くつかむものだ。
出資を受けるナンバーナインは、2016年11月に設立された。「デジタルコミックエージェンシー」を掲げるが、近年は成長が著しいWEBTOONの編集企画の事業拡大に積極的だ。LINEマンガでの『神血の救世主~0.00000001%を引き当て最強へ~』などのヒット作がある。
2021年にウェブメディア運営や広告・プロモーションのINCLUSIVEが5億7600万円でナンバーナインの株式の76%を取得し、子会社化していた。今回の保有株式の一部譲渡は、INCLUSIVEにとっては投資利益確定と考えられる。同時にナンバーナインにとっては、同社が目指すオリジナルIPの創出のために、よりシナジー効果の高い企業とのパートナーシップを考えたものとも言えそうだ。