株式会社DMM.comは、片桐孝憲氏が2017年1月に同社の代表取締役社長に就任すると発表した。DMM.com Groupはインターネットを中心に幅広いビジネスを手がけている。近年急成長を遂げており、2015年2月期の連結売上高は1458億円に達する。
DMM.comはグループの中核企業で、映像配信や電子書籍のプラットフォーム運営やオンライン英会話、ネット取引など幅広い事業を手掛ける。片桐氏は現代表取締役の松栄立也氏から経営を引き継ぐ。また片桐氏は、システム開発・運営やネットワークインフラのDMM.com Laboの代表取締役社長にも就任する。
片桐孝憲氏は1982年、静岡県浜松市生まれ。現在はイラスト投稿・交流サイト「pixiv」を運営するピクシブ株式会社の代表取締役社長を務める。またコスプレ交流サイト「Cure WorldCosplay」を運営するキュア株式会社の代表取締役、情報サイト「アニメイトタイムズ」・動画定額見放題サービス「アニメイトチャンネル」を運営する株式会社アニメイトラボの取締役会長も兼任している。インターネット上のサブカルチャー関連ビジネスでは欠かせない存在である。
しかしDMM.com Groupとこれらの企業とは、これまで資本関係はない。DMMが経営者として、他社経営者を引き抜いた。しかも、引き抜いたのが有力企業の創業社長というサプライズな人事である。
DMM.comの代表取締役社長就任に伴い、片桐孝憲氏は2016年12月31日付でピクシブの代表取締役社長を退任する。新たに執行役員の伊藤浩樹氏が代表取締役社長に就任する。新社長の伊藤浩樹氏は、1986年神戸生まれ。大学卒業後にモルガン・スタンレー証券、ボストンコンサルティンググループを経て、2013年にピクシブに入社した。
また取締役副社長の永田寛哲氏は取締役会長に異動となる。さらに2016年12月1日には執行役員 最高技術責任者に髙山温氏、執行役員最高文化責任者に川田寛氏を任命した。2017年に向けて新しい経営体制を築く。
片桐氏は取締役としてピクシブの経営陣に留まる。今後はDMM.com Groupとピクシブグループとの新たなビジネス展開も考えられそうだ。