松竹の2023年2月期第3四半期決算が、2023年1月13日に発表された。21年、22年は新型コロナ感染症拡大で売上げが大きく下げたが、今期はその回復基調にある。連結売上高は575億円9600万円(11.6%増)増加、営業損失は前年同期の35億5200万円から11億6600万円に縮まった。また経常利益は11億5800万円、当期純利益は62億5800万円と黒字転換した。
それでも新型コロナ感染症の影響は続いており、松竹は決算に合わせて通期業績予想の引き下げも明らかにした。売上高は当初予想の852億3300万円から795億4000万円に引き下げられ、営業損失は3400万円から1億7000万円に引き上げた。経常利益18億円、当期純利益の6億8000万円はそれぞれ3億5000万円、4億8500万円に引き下げる。見通しの変更は、配給で『ある男』、『耳をすませば』が当初見込みに達しなかったことに加えて、興行でも入場者数が想定に及んでいないとする。
事業別では、映画関連事業が売上高297億8500万円(4.3%増)、営業損失が15億1900万円(前年同期は17億600万円の損失)だった。ただしこの数字は収益認識に関する会計基準の適用を受けている。
配給でのヒット作はアニメが多い。『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEスターリッシュツアーズ』が興行収入15億円超え、『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの
島』と映画『ゆるキャン△』それぞれが10億円超えを実現している。興行は『ONE PEACEFILM RED』や『トップガン マーベリック』が大きかった。
演劇事業は売上高168億1600万円(49.5%増)、売上高の伸びは大きかった。営業損失は12億9900万円(前年同期は35億9700万円)だった。
不動産事業は売上高91億3600万円(0.8%増)、営業利益は41億9300万円(2.8%増)と安定している。期中に本社ビルである東劇ビルの建て替えを発表している。