広告大手の電通が、アニメとマンガにフォーカスした社内横断組織を設立する。「Manga Anime Growth Partners(マンガ・アニメ・グロース・パートナーズ)」と名付けられた組織が、2023年1月1日付で発足する予定だ。
「Manga Anime Growth Partners」の役割は、電通の顧客企業・パートナー企業に向けてマンガ・アニメ領域における統合的なソリューションを開発し、提供することだ。具体的には、3つのミッションを掲げる。
1.マンガ・アニメ業界におけるパートナー企業および産業全体の統合的成長支援
2.国内外の顧客企業の成長に資するマンガ・アニメを活用したマーケティング活動
3. 国内外におけるマンガ・アニメコンテンツ開発および事業開発
電通は組織発足の理由として、映像配信やデジタルコンテンツの普及などによりアニメ・マンガ分野が過去10年間で急拡大していることをあげる。産業が拡大するなかで日本のアニメ・マンガが世界的なエンタテインメントとなり、世界産業としてさらに成長が期待されているともする。マンガ・アニメを成長力の高い、まとまりのある産業として捉えることで、企業向けにもビジネスチャンスが広がっているとの読みもありそうだ。
しかし電通のアニメ・マンガ分野のビジネスは、コンテンツビジネス・デザイン・センターや出版ビジネス・プロデュース局、ラジオテレビビジネスプロデュース局、ラジオテレビ局など複数の部門に分かれている。会社全体でのビジネス量は多いが、産業内でも十分に存在感が発揮できていない。そこで社内横断組織としてブランディングすることで、ビジネス拡大を狙うとみられる。
「Manga Anime Growth Partners」では、各部門で培ってきた知見と専門人材が結集することになる。またグループの海外拠点との連携を強化する。
顧客企業やパートナー企業の成長を統合的に支援することで事業成長をサポートする。それらを通じてマンガ・アニメ産業全体の発展にも貢献するとしている。