国内で大ヒット上映中のアニメ映画『すずめの戸締まり』が、2023年4月に北米、ヨーロッパ、ブラジル、オーストラリアなどで一斉公開されることが明かになった。配給は北米のアニメ会社大手のクランチロールとその親会社ソニー・ピクチャーズ、フランスのワイルドバンチとユーロズームが手がける。
上映が一番早いのは、2023年4月12日(水)のフランスとマルタ、翌13日(木)がオーストラリア、ブラジル、ドイツ、メキシコ、ニュージーランド、さらに14日(金)が米国、カナダ、英国、オーストリア、ベルギー、アイルランド、ルクセンブルクなど。わずか3日間でヨーロッパ、北米、ラテンアメリカの主要国でほぼ同時公開となる。ただしアジア地域は、今回のクランチロールを中心とした配給とは別の枠組となる。現在はいずれの公開日も発表されておらず、こちらは今後の発表を待つことになる。
『すずめの戸締まり』は、新海誠監督の3年ぶりの長編劇場アニメ。東日本大震災の経験と直接向き合ったことでも話題を呼んでいる。公開1ヵ月足らずで興行収入は70億円を超え、大ヒット上映中だ。
同じ新海誠作品の『君の名は。』、『天気の子』が海外でも大きなヒット作になっていることから、本作でも海外公開も期待されてきた。しかしこれまで公開スケジュールは発表されておらず、それが今回日本公開から約半年後の4月第2週であることが分かった。待望の発表になる。
『すずめの戸締まり』の海外公開では、これまで以上に大きな成果を期待していることがその枠組みから窺える。まず配給会社の筆頭にあがるクランチロールは北米最大のアニメ企業で、今年配給した『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』は北米週末興行1位になっている。
北米以外の地域ではクランチロールの親会社である映画大手ソニー・ピクチャーズの手を借りる。ハリウッドメジャーが日本アニメの配給をするのは珍しい。さらにヨーロッパはフランスの老舗で大手のワイルドバンチ、さらにユーロズームと万全の体制を組む。
これまで日本の劇場アニメの公開は各国別にそれぞれのスケジュールで公開されてきた。『すずめの戸締まり』では、グローバルで一斉公開することで世界規模での話題を盛り上げる。興行収入でも高い水準を狙うことになりそうだ。