ゲーム大手のスクウェア・エニックスは、雑誌「月刊少年ガンガン」や人気作の単行本刊行でマンガ分野でも大きな存在感を持つ。そのプレゼンスが海外、そしてネット上で、今後拡大することになりそうだ。
2022年7月25日にスクウェア・エニックスは、同社のマンガ配信アプリ「マンガUP!」の海外版「Manga UP!」をリリースした。世界各国で利用可能だ。スタート当初は英語で160タイトル用意、アプリリースにあたり、新たに約100タイトルの英語翻訳も行った。アプリはiOSとAndroidの双方で利用できる。
「Manga UP!」は日本では「マンガUP!」として2017年にリリースされている。基本無料で100タイトル以上が楽しめ、追加課金で300タイトル以上が購読できる。国内では累計ダウンロード数が1900万を越える人気マンガアプリのひとつだ。
スクウェア・エニックスによれば、ここ数年国内外でオンライン上のエンタテイメントコンテンツへの需要が強まっている。さらに英語翻訳マンガの海外販売も好調だ。配信で作品を届けることで、さらに多くの自社マンガファンを獲得したいとの狙いがありそうだ。
また同業他社では集英社の「ジャンプ+」、KADOKAWAの「BOOK☆WALKER」グローバル版など、海外に向けたマンガアプリの利用が好調だ。スクウェア・エニックスも独自のプラットフォームで、自社作品の世界配信を目指す。
スタート時から配信タイトル規模は日本のおよそ半分と大きく、世界的な人気で一世風靡した『鋼の錬金術師』やこちらも海外で人気の高い『ソウルイーター』、『PandoraHearts』が含まれる。さらに荒川弘の最新作『黄泉のツガイ』、アニメ化され評判を呼んだ『その着せ替え人形は恋をする』、『薬屋のひとりごと』などもある。海外の読者にはかなり魅力的なライナンップになりそうだ。
さらに今回の目玉となるのが、日本での刊行とのタイムラグを大幅に縮めることだ。『ヴァニタスの手記』や『ゴブリンスレイヤー』、『FINAL FANTASY LOST STRANGER』など連載中の作品はサイマル(同時期配信)でほぼタイムラグがなく英語版を世界に届ける。
「マンガUP!」
https://global.manga-up.com