アニメやゲームのキャラクターフィギュア・玩具でお馴染みのグッドスマイルカンパニーが、新しいかたちのエンタテインメント創出に乗り出す。2018年11月に投資事業会社「グッドスマイルパートナーズ」を設立した。代表取締役社長には、グッドスマイルカンパニー執行取締役の岩佐厳太郎氏が就任した。
岩佐氏はコンサルティング会社のマッキンゼーアンドカンパニーを経て2012年に執行役員としてグッドスマイルカンパニーに加わった。鳥取県の楽月工場の設立、「レッドブル・エアレース千葉」との協業、 スマホゲーム事業の立ち上げなどを担当した。楽月工場はフィギュア製造拠点の国内回帰として話題を呼んだ。
グッドスマイルパートナーズは投資事業を通じて、エンタテイメントの未来を目指す。投資規模は明らかにされていないが、コーポレートサイトでは出資候補の募集も開始している。
成功した新興企業による投資会社となると、ベンチャー投資、新しい企業・技術の囲い込みが多くなりがちだ。グッドスマイルパートナーズもベンチャー投資の側面も持ちながら、一般的な投資会社と一線を画する部分が見られる。
投資対象は「企業/企業家」だけでなく、「コンテンツ」自体、そして「クリエイターやアーティスト、研究者などの個人・団体」を含んでいる。投資会社としてはあまり例がないが、クリエイティブに精通するグッドスマイルカンパニーらしい発想だ。
「企業/企業家」向けは、立ち上がったばかりの段階から事業拡大を目指すミドルステージまで。アイディアを事業化して軌道に乗せる初期段階に特化する。従来のベンチャー投資に近い。
いっぽうで「コンテンツ」は、プロジェクトに対する投資に近そうだ。新規性の高い、幅広い分野のコンテンツが対象となる。「クリエイターやアーティスト、研究者などの個人・団体」は、属人的な才能に投資することになる。
また投資の判断基準を「おもしろさ」とするのも特長だ。そこから次世代の価値を共に創り出すことを目指すという。
グッドスマイルカンパニーは、2001年に代表取締役社長の安藝貴範氏が創業した。コアファン向けのフィギュアを軸に急成長を遂げてきた。
その後は幅広い玩具やカーレースへの進出、さらにアニメビジネスの持株会社ウルトラスーパーピクチャーズやグッドスマイルフィルムの設立など多彩な事業に進出している。また海外進出に積極的で海外向けのEC展開、中国でのフィギュア事業立ち上げなどをする。これまでの事業成長の経験は、グッドスマイルパートナーズでも活かされそうだ。
グッドスマイルパートナーズ
https://www.goodsmilepartners.com/
設立:2018年11月
代表取締役社長 岩佐厳太郎