フジテレビ「+Ultra」に2つの大型プロジェクト、「エスタブライフ」と「大雪海のカイナ」

+Ultra

 フジテレビの水曜日深夜アニメ枠「+Ultra」のラインナップ発表会が、2022年1月20日にフジテレビ・マルチシアターで開催された。今回の目玉タイトルとなったのは、2022年4月に放送開始する『エスタブライフ グレイトエスケープ』、そして2023年1月からの放送とタイトルが発表された『大雪海のカイナ』である。
 「+Ultra」は、“海外にもアニメカルチャーを広げていきたい”をコンセプトに2018年に、「ノイタミナ」に続く深夜アニメ枠としてスタートした。『INGRESS THE ANIMATION』や『BEASTARS』、『GREAT PRETENDER』といった大型企画が放送されてきた。現在は山田尚子監督の『平家物語』を放送中、これも大きな話題を呼んでいる。

 フジテレビは21年秋に米国の大手アニメ配信プラットフォームのクランチロールとの共同製作体制を立ち上げた。今回はその新しい枠組みのなかでの発表として注目されたが、引き続き大きな枠組みの作品が出揃った。発表会では監督や各社プロデユーサーが揃い、作品への熱い想いを語った。

 『エスタブライフ』は、「コードギアス」シリーズでお馴染みの谷口悟朗が、生み出すオリジナル企画だ。遺伝子改造により多様な人類がAIに管理されながら暮らしている遠未来の東京を舞台にしたSF作品だ。
 『エスタブライフ グレイトエスケープ』とタイトルされ橋本裕之監督、シリーズ構成・脚本賀東招二のテレビアニメシリーズと、スクウェア・エニックスが制作するスマートフォンゲーム『エスタブライフ ユニティメモリーズ』、それに谷口悟朗自身が監督・脚本を務める映画『エスタブライフ リベンジャーズロード』の3つの作品が既に決まっている。テレビシリーズと映画のアニメーション制作はデジタルアニメに定評のあるポリゴン・ピクチュアズが担当する。谷口悟朗のオリジナル企画に期待がかかる。

 『大雪海のカイナ』もアニメーション制作は、ポリゴン・ピクチュアズ制作でスタッフの豪華さでは引けをとらない。『シドニアの騎士』や『BLAME!』などのヒット作があるマンガ家・弐瓶勉とポリゴン・ピクチュアズが手を組むが、こちらも新企画のため現在は公開されているイントロダクション「拡がり続ける「雪海」により、大地が消えかけた異世界――。人々は巨木「軌道樹」の根元や頂から広がる「天膜」の上でかろうじて暮らしていた。天膜の少年カイナと、地上の少女リリハが出会うとき、滅びかけた世界を変える物語が、始まる――。」以外の物語の情報はない。
 監督に安藤裕章、脚本に村井さだゆき・山田哲弥を起用する。この2月からは早くも「月刊少年シリウス」により原作・弐瓶勉、漫画:武本糸会で連載もスタートする。マンガはクランチロールを通じて講談社が英語版を全世界で同時配信する予定だ。またポリゴン・ピクチュアズは設立40周年記念作品と位置づけており、文字どおり大型プロジェクトと言っていいだろう。

「+Ultra」  https://plus-ultra.tv/

テレビアニメ『エスタブライフ グレイトエスケープ』
2022年4月放送予定
https://establife.tokyo/
原案・クリエイティブ統括: 谷口悟朗
監督: 橋本裕之
原作: SSF
シリーズ構成・脚本: 賀東招二キャラクターデザイン原案: コザキユースケ
音楽: 藤澤慶昌
企画・プロデュース: スロウカーブ
アニメーション制作: ポリゴン・ピクチュアズ

スマートフォンゲーム『エスタブライフ ユニティメモリーズ』
原案・クリエイティブ統括 : 谷口悟朗
原作: SSF
制作: スクウェア・エニックス

映画『エスタブライフ リベンジャーズロード』
原案・監督・脚本: 谷口悟朗
原作: SSF
企画・プロデュース: スロウカーブ
アニメーション制作: ポリゴン・ピクチュアズ

『大雪海のカイナ』
2023年1月放送予定
https://ooyukiumi.net/
原作: 弐瓶勉 
監督: 安藤裕章
脚本: 村井さだゆき・山田哲弥
アニメーション制作: ポリゴン・ピクチュアズ

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