米国のテレビ・配信番組業界の頂点ともいえるエミー賞の第74回、今年のノミネートが2022年7月12日に発表された。このうちショートアニメーション部門(Outstanding Short Form Animated Program)に、『スター・ウォーズ:ビジョンズ』「Duel」が5本の候補のひとつに挙げられた。日本の神風動画がルーカス・フィルムと共に制作した作品だ。
今後他の4本の候補作品とアワードを競うことになる。受賞者作品は約2万人の会員の投票により決定、9月12日の授賞式にて発表される。
エミー賞は1946年に、過去年間に優れた成果を残したテレビ番組を顕彰するアワードとしてスタートした。テレビ業界のプロが選ぶことから映画作品のアカデミー賞に匹敵とするものとして評価されている。
放送番組の多様さを反映して細かくジャンルが分かれており、このうちアニメーション作品に与えられるのは、シリーズ番組を中心とするアニメーション部門(Outstanding Animated Program)と、今回「Duel」が挙げられたショート部門のふたつだ。いずれも話題作が多く並んでいる。
ショート部門は「Duel」のほかに、ドラマ『ザ・ボーイズ』の世界をアニメーションにした『The Boys Presents: Diabolica』、大人向けと話題を呼んだNetflix配信オリジナルの『Love, Death + Robots』、ストップモーションで作られた『ロボット・チキン』、そしてアーティストのビリー・アイリッシュが『ザ・シンプソンズ』に特別出演と話題になった『フェン・ビリー・メット・リサ』である。近年の潮流を反映してディズニープラス作品の「Duel」も含めて、『ロボット・チキン』以外の4作品が配信向け番組からなのが特徴だ。
アニメーション部門は『ボブズ・バーガーズ』、『リック・アンド・モーティ』、『ザ・シンプソンズ』と長年の人気シリーズが並ぶ。『What If…? • What If… Doctor Strange Lost His Heart Instead Of His Hands?』は、人気スーパーヒーローのドクター・ストレンジが登場する。2022年の異色作は、オンラインゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』からスピンオフしたアクションアニメーション『アーケイン』。春のアニー賞では9冠達成という快挙を成し遂げただけに、エミー賞でも台風の目だ。
『スター・ウォーズ:ビジョンズ』「Duel」も、アニー賞に続くノミネートになった。アニー賞でノミネートされた際は『アーケイン』に受賞をさらわれたが、エミー賞では別部門となっている。
『スター・ウォーズ:ビジョンズ』は「スター・ウォーズ」シリーズからのスピンオフ企画として9本の短編アニメから構成する。2021年9月よりディズニープラス独占配信されている。各エピソードを日本の有力スタジオが別々に異なったコンセプトでアニメ化した。「The Duel」では、侍映画のテーストをスター・ウォーズの世界で表現している。
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