アニメ制作各社が新人育成を相次いで強化する中で、『名探偵コナン』、『それいけ!アンパンマンなどでも知られる大手トムス・エンタテインメントが新たな取り組みを発表した。「トムス・エンタテインメント クリエイター養成所」を設立し、2023年4月より開講する。養成所のカリキュラム修了後に制作現場で活躍できる優秀なアニメーター、ディレクターの育成を目指す。
同社には2021年4月から前身となるプログラムがあったが、その間口を広げて発展させたものになる。7月22日には養成所特設サイトをオープンし、研修生募集も開始した。
アニメスタジオによる研修プログラムの設立が近年相次ぐが、「トムス・エンタテインメント クリエイター養成所」の特徴は2年間という期間の長さだろう。期間中の受講料はトムスが全額負担して無料になるだけでなく、月額10~15万円支給の奨励金制度も設ける。アルバイトなどをせずに、技術取得に集中する環境を作るためである。
講師は現役のアニメーターが担当する。実際の動画・原画を教材に作画の基本から応用までを論理的に解説、さらに現場実習を通じて経験を積む。デジタル作画やCGなどの新技術も積極的にカリキュラムに組み込む。成績優秀者にはトムス専属契約や優先契約も提供する。
募集人数は若干名。実習場所は東京都中野区のトムス・エンタテインメントになる。応募条件は2023年3月に高等学校を卒業見込み、もしくは高等学校以上を卒業した18歳~25歳まで。外国籍の場合は日本在住で日常会話レベル以上の日本語能力が必要になる。
今回の募集の実習期間は2023年4月から2025年3月までの2年間となる。長年の人気作品に加えて、新しい作品の取り組みも増えているスタジオだけに、アニメ業界志望者から注目を集めそうだ。
トムス・エンタテインメント
https://www.tms-e.co.jp/
養成所特設サイト
https://tms-e.co.jp/special/tsukurikata-ikusei.html