KADOKAWAがタイ大手出版社と合弁会社 タイ語版マンガ・ラノベの市場拡大目指す

ファイナンス決算

エンタテインメント大手のKADOKAWAが、北米、中国に続き、東南アジアでも日本マンガ・ライトノベルの現地語版ビジネスを進める。2016年9月5日、現地企業と共同出資する新会社KADOKAWA AMARIN COMPANY LIMITEDをタイ・バンコクに設立すると発表した。
KADOKAWAの香港法人KADOKAWA HOLDINGS ASIA Ltdが49%、タイの出版会社Amarin Printing and Publishing Public Companyが46%、そして三菱東京UFJ銀行グループのタイ法人Bangkok BTMU Limitedが5%出資する。新会社は日本マンガとライトノベルのタイ語翻訳出版、日本観光を目的にしたメディア、さらにデジタルプラットフォームの各事業を手掛ける。

Amarinはタイ最大の総合出版社で、出版印刷や取次を手がけ、さらに約200店舗の書店チェーン、オンライン書店なども抱える。KADOKAWAは、Amarinの製造や物流インフラ、販売網を活用する。現地の大手企業と組むことで、タイでの事業拡大を目指す。
KADOKAWAによれば、タイの出版市場は年間約1000億円、6700万の人口は東南アジアでも有数を誇る。さらに今後の市場拡大が期待できる。日本カルチャーにも馴染みが深く、日本コンテンツの売上も順調に拡大する。こうした成長性に目をつけたかたちだ。

KADOKAWAだけでなく、近年、国内のコンテンツ関連企業ではタイへの関心が高まっている。タイ進出を考える関連企業は少なくない。
2015年9月には、アニメイト、KADOKAWA、講談社、集英社、小学館の5社が共同出資するJapan Manga Allianceが、100%出資のタイ法人animate JMAを設立している。こちらはアニメイト バンコク店を運営している。タイを足掛かりに東南アジアへの展開を狙う。KADOKAWAは単独でも、タイを東南アジアビジネスの重要拠点にする。

KADOKAWAは、このほか北米では2016年春 に日本マンガ、ライトノベルの翻訳出版社Yen Pressを子会社化している。さらに9月5日には、中国の現地法人・広州天聞角川動漫有限公司にテンセントが出資することも明らかにした。マンガとライトノベルの海外進出に積極的に挑む。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る