「ハサウェイ」「ザ・ファブル」等、松竹の第2四半期売上げ急回復も赤字続く

ファイナンス決算

 映画・演劇事業の松竹は、2021年10月14日に22年2月期第2四半期の連結決算を明らかにした。映画・演劇は新型コロナ感染症の打撃がとりわけ大きな業界であったが、最新に業績は回復基調にあることを窺わせた。
 第2四半期までの連結売上高は342億500万円と前年比で73.5%増となった。映画・演劇とも収入を大きく伸ばした。それでも利益面は幅を大きく縮めながらも、引き続きマイナスとなった。営業損失が19億6100万円、経常損失が15億2500万円、当期純損失が22億9800万円である。

 上半期の松竹映画愛級は邦画5本、洋画1本、アニメ4本。このほか歌舞伎やオペラなどのODS興行も実施している。なかでも6月公開の『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』、『ハニーレモンソーダ』などがヒット作になった。
 映画興行は『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』などのヒット作画あった。しかし大作の公開延期などで洋画は厳しい状況だとしている。
 映像ソフトは『弱虫ペダル』『フード・ラック!食運』が好調。放送事業の松竹ブロードキャスティングは動画配信サービスの影響もあり、厳しかった。映像関連事業全体の売上高は189億9700万円(66.3%増)、営業損失は7億6400万円だ。

 演劇事業は歌舞伎座や新橋演舞場、大阪松竹座、南座などの興行が中心となる。感染予防対策のガイドラインに沿うかたちで興行することで、売上高は71億2400万円(243.8%増)と今期は売上を取り戻しつつある。しかし依然、営業損失は25億2000万円と赤字に沈んでいる。
 不動産事業は安定している。売上高は60億7900万円(4.1%増)、営業利益は27億8300万円(2.9%増)だ。コロナ禍であったが賃料減額を最小限にとどめた。

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