世界3大アニメーション映画祭として知られるオタワ国際アニメーション映画祭にて、今年、日本作家の作品が大きな栄冠に輝いた。2021年9月22日から10月3日まで開催された第21回映画祭の最終日、コンペティション部門の各賞が発表され、このうち短編アニメーション部門のグランプリを矢野ほなみ氏の『骨噛み』が受賞した。
『骨噛み』は、紙のうえに点で描いた絵を動かしていくおよそ10分間の作品で父の葬儀で父との関係を振り返る少女の話だ。オタワ国際アニメーション映画祭の短編部門で日本の作品がグランプリとなるのは、2015年の二瓶紗吏奈氏の『帽子をかぶった小さな人々』以来6年ぶり、2007年の山村浩二氏『カフカ 田舎医者』を含めても3回しかない。長編アニメーションに注目が集まりがちな日本作品のなかで存在感を発揮した。
矢野氏は京都精華大学にインディペンデントアニメーションの制作を開始、卒業後に東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻に進む。卒業制作の『染色体の恋人』が国内外の映画祭で注目を浴びた。
卒業後の初作品として制作したのが『骨嚙み』である。本作品は山村浩二氏がプロデュースとして参加している。『骨嚙み』は先日開催された「DigiCon6 JAPAN Awards」でもゴールド賞をも受賞している。今後の活躍も期待出来そうだ。
オタワ国際アニメーション映画祭は、抽象部門最優秀作品(Best Non-Narrative)では日本の水尻自子氏がフランスと共同製作した『不安な体』が選ばれている。さらにお弁当の素材をストップモーション作品にする宮澤真理氏の『こにぎりくん コンサート』がプレスクール部門の審査員特別賞を受賞した。日本からの活躍が目立つ年となった。
また長編アニメーション部門のグランプリはコメディタッチのロードムービーをストップモーションで表現したブラジルの『Bob Spit – We Do Not Like People』だった。今後世界で注目を集めそうな個性たっぷりの作品だ。
オタワ国際アニメーション映画祭 https://www.animationfestival.ca/
矢野ほなみ公式サイト https://honamiyano.com/