アニメ製作大手の東映アニメーションの株価が急伸を続けている。2021年9月15日は、前日比6.72%高の2490円と史上最高値を更新した。また時価総額は1兆466億円、初めて1兆円の大台を超えた。
時価総額はジャスダック市場で最大、東証マザーズ市場1位のメルカリの1兆149億円も超えて新興市場トップになる。メルカリはフリマアプリの運営会社で、こちらも9月15日に初めて1兆円を突破したばかりだった。
東映アニメーションは1948年に創業した国内で最も歴史の長いアニメーション会社で、アニメーション制作では国内最大規模を誇る。プリキュアシリーズやデジモンシリーズといった人気作品を保有するほか、ドラゴンボールシリーズ、『ONE PIECE』など数多くの人気アニメを制作している。
アニメーション制作だけでなく、番組販売やライセンス運用なども自社で手がける。過去10年間は海外ビジネス、国内版権の成長に助けられ急成長している。直近の年間売上高は515億円と必ずしも大きくないが、利益率の高さ、コロナ禍でも安定した業績が評価されている。
海外アニメ市場の拡大、ポテンシャルの高さが注目され昨年夏より株価は上昇が続いている。今年9月より上昇スピードに勢いがついており遂に時価総額1兆円を超えた。
東映アニメーションの上場は2000年12月、今から21年前になる。公開価格は4300円(株式分割前)、当時の時価総額は301億円だ。それが21年間で約34倍までに膨れ上がった。また時価総額は親会社である東映の3倍を超える。極端な親子逆転現象は、今後の両社の資本政策の課題になりそうだ。
東証1部市場、2部市場を含めたランキングのトップはトヨタで32兆円、エンタテイメント関連では3位のソニーグループが15兆円になっている。