9月1日に発刊された『デジタルコンテンツ白書2021』が、2020年のコンテンツ産業と関連各分野の市場動向を明らかにした。『デジタルコンテンツ白書2021』によれば2020年の日本のコンテンツ産業の市場規模は11兆6975億円で、前年比9.3%のマイナスだった。前年対比での市場縮小は、東日本大震災の影響を受けた2011年以来で、9年ぶりとなる。
前年比マイナスは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きいが、その度合いは分野によって大きく異なる。
メディア別では、巣籠り需要の追い風を受けたネットワークが4兆3620億円で前年比11.0%増となっている。動画配信やデジタルコミックの拡大が牽引したと見られる。一方で劇場・専用スペースは8536億円で53.6%の減少である。こちらはライブエンタテイメントの中止、延期、縮小が相次いだのを反映している。
コンテンツ消費のネットワークシフトを印象づけたが、パッケージが3兆2869億円(92.4%)、放送が3兆1950億円(89.7%)と二桁マイナスであったことから全体でもマイナスとなる。
「デジタルコンテンツ白書」は、毎年、経済産業省 商務情報政策局の監修のもと一般財団法人デジタルコンテンツ協会が編集・発行している。映画、音楽、ゲーム、オンラインゲーム、ライブエンターテインメント、アニメーション、マンガなどの主要コンテンツ分野とソーシャルメディア、モバイルコンテンツ、放送、新聞、出版などのメディア分野の最新の統計数字と動向を各分野の専門家が解説している。さらに米国、中国、韓国などの海外動向も紹介する。
コンテンツ産業分野の基礎資料として活用されており、価格は税込で19800円。デジタルコンテンツ協会の公式サイトより、購入可能だ。
『デジタルコンテンツ白書2021』
http://www.dcaj.or.jp/project/dcwp/index.html
監修:経済産業省 商務情報政策局
編集・発行:一般財団法人デジタルコンテンツ協会
定価:19800円 (税込)