クロアチアのザグレブで開催されたアニメーション映画祭「Animafest Zagreb 2021」にて、水尻自子監督の『オタワムレ』が最優秀VR賞(Best VR Project)に輝いた。『オタワムレ』は講談社VRラボのプロジェクトとして、制作された作品だ。
「Animafest」はフランスのアヌシー、カナダのオタワと並び、世界的に注目されるアニメーション映画祭として知られる。近年、世界各国のアニメーション映画祭では、次世代のVRに対する関心の高まりからVR部門を設けることが増えている。「Animafest」もそのひとつである。
『オタワムレ』は、水尻の得意とする「やわらかさ」と「心地よさ」をVR空間で再現したインタラクティブアートとなっている。水尻自子は国内外で活躍するアニメーション作家で、短編アニメーション『不安な体』が今年のカンヌ国際映画祭の監督週間のオフシャルコンペティションに出品されることが決まっている。相次ぐ国際的な活躍で、注目がさらに高まりそうだ。
講談社VR ラボは2017年10月に大手出版の講談社とCG・デジタルアニメーションの大手ポリゴン・ピクチュアズの共同出資により設立した。VRを中心とした新しいエンタテイメントを研究・製作することを目的としている。老舗出版社が先端テクノロジーを取り込んだエンタメを目指すとして話題を呼んだ。
VR分野は世界的に注目される分野だけに、クリエイティブも含めた開発競争が活発だ。そのなかで日本発のVR作品が評価された意味は大きいはずだ。
『オタワムレ』
https://store.steampowered.com/app/1100090/Otawamure/
講談社VRラボ
https://kodanshavrlab.com/
Animafest Zagreb 2021
http://www.animafest.hr/en