バンダイナムコグループでアニメ事業を手がけるサンライズが、オリジナルマンガ投稿プラットフォームを運営する新興企業エコーズに追加出資した。サンライズは2019年10月31日に、IP(知的財産)創出、ブランド力、IP発信力の向上を目的にエコーズに資本参加、提携を結んでいた。
資本関係をより密にすることでサンライズとの連携も強化し、IP戦略に向けた施策を加速させるのが目的だ。前回、今回とも出資金額や出資比率は明らかにしていない。
エコーズは2013年に設立、インターネットサービスの企画・開発・運営を手がけてきた。クリエイター支援や作品の認知・ビジネスの拡大を目的としてデジタル出版や出版プロデュースを得意とする。なかでもオリジナルマンガ専門の投稿プラットフォーム「マンガハック」の運営は、エコーズの主力事業となっている。
エコーズは2018年に、バンダイナムコグループが開催したベンチャー企業の育成支援を目指したプログラム「バンダイナムコアクセラレーター2018」に参加、優秀賞を受賞した。これを機にバンダイナムグループとのつながりを深めた。2019年1月には、サンライズのコンテンツ発信を目指したウェブサイト「矢立文庫」とのコラボイベント「サンライズ矢立文庫大賞」も開催した。
サンライズはアニメ製作の老舗で『機動戦士ガンダム』や『カウボーイビバップ』、『ラブライブ!』といったオリジナルIPの人気アニメを世に多く送り出してきた。それでも総合エンタテイメント企業のなかではKADOKAWAやスクウェア・エニックスといった企業に較べて、マンガ・小説などでのコンテンツ創出が弱いことは弱点になっている。エコーズ「マンガハック」との取り組みは、これらをカバーする狙いもあるだろう。
2019年の出資以来、サンライズとエコーズとの取り組みは増えている。エコーズのクリエイターネットワークを活用した登録クリエイターによるアイデア提案や作品制作のサポートなどである。
登録クリエイターが、バンダイナムコピクチャーズがアニメーション制作する映画『銀魂 THE FINAL』の美術背景の一部制作に参加したほか、ポータルサイト「サンライズワールド」では220以上あるサンライズ作品をデータベース化構築支援もしている。
追加出資を機に、エコーズとの連携をより強める。さらなるスピード感ある IP 創出と効果的な IP 発信を目指す。
サンライズ http://www.sunrise-inc.co.jp/
エコーズ https://www.echoes.co.jp/
マンガハック https://mangahack.com/