テレビ東京は2021年4月1日付で組織変更と人事異動を実施する。このうちアニメ関連では「アニメ・ライツ本部」を「アニメ・ビジネス本部」に改称するのが大きな動きだ。
近年は地上波放送局が、アニメ事業に積極的で関連部署を設ける例も増えている。テレビ東京はその先駆けでアニメ事業だけで年間200億円以上を売上げ、高い利益率が局の収益を支えるほどである。今回の本部改称は、そうした取り組みをさらに一歩進めるものになりそうだ。
改称はコンテンツ製作だけでなく、イベント・コミュニティ開発、新規事業開発を強化することを体現するものである。本部傘下の「ビジネス開発局」に「イベント事業部」に加えて「コミュニティ事業部」を新設するのに連動している。
「コミュニティ事業部」は、2020年に東京・池袋に新設した「Mixalive TOKYO」の運営や、バーチャルイベントやコミュニティの開発・運営を手がける。新規事業開発やコンテンツの開発・プロデュースもする。ビジネスとしてのアニメをより拡大していく狙いがありそうだ。
一方で「アニメ・ビジネス本部」傘下にあった「管理局」は独立した局となり、名称も「ライツ管理局」に改称する。「ライツ管理局」の下に「アニメ管理部」が置かれる。
これにより「アニメ・ビジネス本部」は、「アニメ局」「ビジネス開発局」「国際事業室」「中国事業室」の2局2室で構成することになる。
「アニメ局」には、「ビジネス促進室」と「アニメ事業部」「アニメ制作部」「MDビジネス部」の4つ。「ビジネス開発局」には「イベント事業部」と「コミュニティ事業部」のふたつ。アニメ部門だけで、巨大組織だ。
配信ビジネスの拡大を背景に、「配信ビジネス局」を新設したのも大きなトピックである。魅力ある配信コンテンツを増やし、顧客満足度と収益の最大化を目標としている。広告付無料配信と定額課金配信のビジネスを一元化したのも特徴だ。
局には、「配信戦略部」と「配信ビジネスセンター」が置かれる。「配信戦略部」はテレビ東京全体の配信戦略を策定、配信コンテンツの企画開発を担当。「配信ビジネスセンター」は配信コンテンツの原盤制作と納品をする。さらに権利処理や関連商品の企画開発、販売、収支管理なども役割になる。