2020年12月にブラジルでスタートした新しい無料放送局「Loading」が日本アニメを大量に編成し、新たなアニメ文化発信拠点として注目されている。
「Loading」はそれまでビジネスプロフェッショナルに向けた専門チャネル「Ideal TV」の電波を引き継ぐかたちで、2020年12月3日に開局した。チャンネルのテーマは 「ポップカルチャー」「サブカルチャー」で、ギーク(マニア)向け。音楽番組やeスポーツ、ドラマ、アニメーションで構成されている。
なかでもアジアコンテンツにフォーカスし、日本アニメはその中核を占める。『僕のヒーローアカデミア』や『機動戦士ガンダム00』、『らんま1/2』、『文豪スレイトドッグス』など人気タイトルが並ぶ。
ラテンアメリカは、かねてより日本アニメの潜在的な人気が高い地域とされてきた。しかしテレビ放送で日本アニメが編成されることが少なかった。近年はアニメファンは、動画配信のNetflix、日本アニメ専門のクランチロールで視聴することが多い。また2020年11月には北米の大手日本アニメ配給のファニメーションが、ブラジルとメキシコでアニメに特化した定額課金見放題サービスも新たに始めたばかり。ラテンアメリカは、アニメファン開拓で今、最もホットな地域のひとつなのである。
配信が盛況ではあるが、Loadingではブラジルにはインターネットに充分アクセス出来ない層もまだ多いとし、配信とは異なるターゲットを置いている。動画配信以外での視聴者者獲得は、日本アニメ関係者にとってもありがたい。
Loadingは放送開始にあたっては、ソニーピクチャーズと提携を結び、『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』や『カードキャプターさくら』などを放送している。
さらにクランチロールとも提携し、いっきに50以上のアニメ作品のテレビ放送権を獲得した。これを元に、18時から25時までをアニメ放送枠にし、一気に視聴者獲得を目指す。ラテンアメリカでの日本アニメの新たなトリガーになるのか、Loadingの今後の展開が注目される。
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