映画会社の東映は、11月13日に2021年3月期第2四半期の決算を発表した。期間中は新型コロナ感染症拡大による自粛が直撃した。期間中の連結売上高は458億8300万円と39.7%減、営業利益は53億5000万円(60.6%減)、経常利益は63億3800万円(58.5%減)、当期純利益は15億9400万円(76.9%減)だ。
大幅な減収減益と厳しい業績となったが、それでも黒字は維持した。興行関連が映画館の休業・自粛で不振で、キャラクターショーなどの催事関連が赤字に転落したが、コンテンツ事業やテレビ事業が堅調で踏みとどまった。
主力の映画関連事業の売上高は370億4700万円(25.6%減)、営業利益は79億3500万円(27.8%減)となった。配給では『劇場版 仮面ライダーゼロワン/魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE』、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』などの公開延期が生じ苦しかった。
テレビ事業『特捜9』、『警視庁・捜査一課長』、『仮面ライダーゼロワン』が堅調だった。アニメ関連では『ドラゴンボール超 ブロリー』の劇場上映権販売が北米で好調だった。
興行関連事業は厳しかった。4月から5月にかけグループの東映直営館、ティ・ジョイのシネコンの営業を全国的に休止、営業後も座席制限を行ったことで興行収入は低調となった。6月に「T・ジョイ横浜」オープンし、スリーン数は拡大したが、影響は小さかった。売上高は33億5600万円(74.1%減)、営業利益は赤字に転落して13億6700万円の赤字を計上した。
催事関連事業もキャラクターショーや文化催事、舞台演劇などが相次いで中止、東映太秦映画村が3月から6月中旬まで臨時休業するなどの対応が響いた。売上高は9億5700万円(80.9%減)、営業損失が4億7900万円となった。
それでも第1四半期では見通しが不透明として開示を見送っていた通期業績予想を発表している。通期連結業績予想の売上高は1062億円、営業利益は79億円、経常利益は94億円、当期純利益は26億円。こちらも大幅な減益ながら黒字は維持する見込みだ。