2018年6月11日から17日まで開催されるアヌシー国際アニメーション映画祭の基調講演(Keynote)を、ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役の塩田周三氏が務めることになった。映画祭2日目の12日18時半から1時間15分にわたり語る。
講演のテーマはまだ発表されていないが、塩田氏は世界でも有数の歴史を持つCGアニメーション会社のポリゴン・ピクチュアズの顔だけに多くの人が関心を持つことは間違いないだろう。
アヌシー国際アニメーション映画祭は1960年に誕生した世界で最も古く、そして最大規模のアニメーション映画祭として知られている。世界のアニメーション界を牽引する存在だ。作家やスタジオの最新作が上映されるだけでなく、企画紹介、国際見本市、展示会、セミナーなど、あらゆる面からアニメーションの”今“をカバーする。
基調講演はそのなかでも、映画祭全体を方向づけるひとつである。毎年、世界のアニメーション業界のキーパーソンが長時間にわたり語っている。これまでにも、イルミネーション創設者のクリス・メレダンドリ氏、アードマン・スタジオの創設者であるピーター・ロード氏とデイビッド・スプロクストン氏らといった人物が登壇している。
2018年は塩田周三氏と、米国カートゥーンネットワークとアダルトスイムの社長を務めるクリスティーナ・ミラー氏のふたりが選ばれた。共にヨーロッパ以外からの経営者である。
ポリゴン・ピクチュアズは1983年創設された日本、そして世界のCGアニメーションのパイオニアである。塩田氏は2003年に代表取締役に就任、海外有力企業からのプロジェクト受託など新しいビジネスを切り拓いてきた。また現在は経営陣と共に、日本の2Dアニメの特長を活かした新世代のCG表現でも注目を浴びている。スタジオはエミー賞を初め数々の国際的なアワードにも輝く。
塩田氏は国内外でのアニメーション、CGの振興、業界の発展にも積極的に参加してきた。SIGGRAPHの審査員や基調講演なども務めている。アヌシーでは2016年に短編部門の国際審査委員であった。
2018年は、ポリゴン・ピクチュアズの最新作『ゴジラ 怪獣惑星』が上映される。作品と共に今年の映画祭を盛り上げることになりそうだ。