日本アニメの手描き作品は、制作の各部門に数多くのスタッフが参加することで成り立っている。なかでもアニメの絵を描くアニメーターは多くのスタッフが必要されており、近年は人材不足も言われている職種だ。では日本アニメ全体でアニメーターは一体、何人いるのだろうか。
アニメ制作管理ソフト開発の薄山館によればアニメーションのキーとなる原画を描くアニメーターの数は全体で5200人以上だという。薄山館が独自に集計した。
薄山館は2019年に放送が開始されたTVアニメ196作品のスタッフをデータベースで確認。このうちスタッフが確認できた114作品1795話の原画・第2原画担当者の人数を調べた。この合計が5247人で、うち日本人名が4392名、外国籍等その他が855名としている。
アニメーターの職種は原画のほかに、原画の間の絵を描く動画や動画をチェックする動検などもある。薄山館は調査しきれなかったTVアニメのほか劇場アニメ・配信アニメがあり、さらにスタジオ名のみで個人が特定しずらかった第2原画、そして動画も含めるとアニメーターの数はさらに多いと見る。原画アニメーターだけで5200名以上はミニマムラインで、アニメーター全体ではさらに多くのスタッフが存在することになる。
これまで国内のアニメーターの数は数千人、あるいは5000人程度と言われることが多かった。しかし実際の人数はこれらを大きく上回りそうだ。
さらに同様の方法の集計で、アニメーション制作工程を管理する制作進行の人数も算出している。こちらは全体で964名、日本人名が888名、外国籍等その他が76名とする。
薄山館は今年6月にアニメーターと制作進行の仕事をマッチングするサービス「大峰山前鬼坊」をスタートしている。今回の調査は、これに関連したものだ。
「大峰山前鬼坊」には、現在までにアニメーターと制作進行が合わせて100人以上登録している。今回の調査結果の原画・制作進行の人数に対しては、約1.7%程度になる。今後の利用者拡大余地が大きいというわけだ。薄山館は今後も利用者の拡大を目指すという。
「大峰山前鬼坊」
https://oominesanzenkibou.com/