国内投資ファンドMSD、フィギュアの海洋堂の株式取得

提携

 国内投資ファンド会社MSD企業投資が、運営するMSD第一号投資事業有限責任組合を通じてフィギュアやカプセルトイの老舗・海洋堂の株式を取得した。2020年6月15日にMSD企業投資が明らかにした。また6月23日には、海洋堂からも「資本業務提携」として発表されている。
 海洋堂はMSの持つ知見や幅広いネットワーク・人材サポート等が、海洋堂の成長と発展を加速化させられる判断したとする。また資本増強でより大きなプロジェクトの実現も視野に入れる。
 MSD企業投資は海洋堂の旧経営陣から株式を取得したとしている。保有株式の割合や、譲渡金額などは明らかにしていない。

 海洋堂は大阪市に本社を持つ老舗のフィギュア、ガレージキットの企画・製造・販売会社で、社員は47名。1964年に大阪・守口市の模型ショップとして事業をスタートした。その後、フィギュア制作や食玩、カプセルトイなどの事業に次々と乗りだし、この分野の老舗となっている。丁寧で細かくクオリティの高い造形で評価を得てきた。「エヴァンゲリオン初号機」フィギュア、ワールドタンクミュージアムなど手がけた商品にヒット作は数多い。
 また国内最大規模のガレージキットイベント「ワンダーフェスティバル」の主催もしている。日本のフィギュア業界での存在感が大きい。

 MSD企業投資は、2015年に三井物産、三井住友銀行、日本政策投資銀行の3社が立ち上げた投資ファンドである。運用資金は最大300億円で、日本の中堅・中小企業に特化して投資している。中堅・中小企業に、出資3社のネットワーク・総合力を合わせることで事業成長を目指す。
 これまでにアパレル、加工メーカー、卸売、製造など様々な分野の企業に投資をしている。今回の海洋堂との資本業務提携では、MSDと出資3社が協力することで海洋堂の商品力やブランド力をさらに大きくできるとしている。

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