大手アニメ製作のサンライズが事業成長を目指して、外部のアニメスタジオと積極的に手を組む。2018年9月28日、サンライズは国内有力CGアニメスタジオのサブリメイションに資本参加したことを明らかにした。
資本参加の目的は、サンライズのオリジナル作品を生み出す企画力と、サブリメイションの得意とするCG制作の融合だ。ふたつが重なることで、多彩な表現力を持つ新たな映像作品を創出する。
出資割合や出資金額は明らかにしていないが、資本的なつながりを持つことは長期的な関係を築くことでもある。老舗サンライズと急成長を続けるサブリメイションの組み合わせが、業界にどんなインパクトを与えるかが関心を集めそうだ。
サブリメイションは、プロダクション I.G出身でゲーム会社で経験を積んだ小石川淳氏と、同じくプロダクション I.G出身の須貝真也氏が2011年に設立したアニメーション制作会社。CGでの制作を主にする。
セルルックのCG表現を得意として、急成長を続けてきた。『魔法使いの嫁』、『ジョーカーゲーム』、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』などの制作に参加する。サンライズの作品では、『ラブライブ!サンシャイン!!』、『機動戦士ガンダムUC』がある。現在スタジオは、東京・国立のほか、名古屋と仙台にもあり3拠点体制だ。従業員は約60名。
近年CGアニメスタジオの躍進が注目されており、これまでにポリゴン・ピクチュアズ、デジタル・フロンティア、サンジゲンなどがアニメ制作全体を受け持つようになっている。さらにオレンジやグラフィニカがこれに続いている。サブリメイションは、それらに続く次世代の有力スタジオと見られていただけに、老舗のサンライズとの協力は驚きだ。
一方、サンライズは、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズでも知られる業界大手だ。その歴史は46年にも及ぶ。
サンライズは資本提携を通して、サブリメイションとの連携により、サンライズ内のCG部門をさらに強化し、CG制作力の向上を図るとする。外部の力を借りることで成長のスピードアップを目指す。
大手アニメ製作会社では、東映アニメーションも今年8月にデジタルアニメを得意とするダンデライオンアニメーションスタジオに資本参加したばかりだ。急速に進むアニメ業界のデジタル化のなかで、老舗、大手企業は、積極的に新進スタジオとの協力を目指している。
サブリメイション
http://www.sublimation.co.jp/