東宝のアニメ製作事業、年間売上げ100億円を初めて突破

ファイナンス決算

 東宝のアニメ製作事業が引き続き急成長を続けている。2018年4月13日、同社は2018年2月期の決算発表をしたが、このうちアニメ製作事業で102億8200万円の売上げがあったことを明らかにした。前年比27.1%増である。初めて100億円の大台を超えた。
 期間中に製作出資した主な映画は『GODZILLA 怪獣惑星』、『名探偵コナンから紅の恋歌(ラブレター)』、『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』、TVアニメでは『僕のヒーローアカデミア』、「血界戦線」シリーズ、「刀剣乱舞-花丸-」シリーズなどのヒット作がある。

 東宝のアニメ製作事業は、部署として独立したのは2012年と日が浅い。しかし、「TOHO animation」のブランドを掲げる中で、深夜アニメを積極的に手掛けるなど従来の東宝とは異なるアニメビジネスを切り拓いている。音楽事業のTOHO animation RECORDSや、アニメ専門のECサイト「TOHO animation STORE」も売上げを伸ばしている。
 売上高は個別の業績を開示し始めた2015年2月期の23億7500万円から、16年の40億9500万円、17年80億8800万円、そして18年の102億8200万円と急激に伸びてきた。わずか4年間で4倍以上になった計算だ。

 アニメ製作には、アニメの製作とその著作権、商品化権の事業などが含まれる一方で、劇場配給や映像ソフトなど他の事業と重複するものは含まれていない。実際にアニメ作品が関わる売上高は、さらに大きくなる。
 逆にライセンス関連事業だけで100億円を超える売り上げは、既に東宝はこの分野でアニメ業界の大手であることを示している。今後さらに成長が続くのか、アニメ業界からは引き続き注目を集めそうだ。

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