フランス・アヌシーにアニメーション総合センター建設、総工費63億円・2025年完成 

he Cité internationale du cinéma d’animation d’Annecy

 フランスのアヌシー市に、アニメーションに特化した総合文化施設が出来ることが分かった。2023年10月24日、アヌシー国際アニメーション映画祭運営もするCITIAは2025年半ば頃の完成に向けて、「The Cité internationale du cinéma d’animation d’Annecy」と名付けたアニメーション文化の恒久施設の建設に着手したことを明かした。
 建設にあたっては、アヌシー市のほか、オート=サヴォワ県、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ州の協力を得る。地域行政が全面的にバックアップする。アニメーションによる地域振興やインバウンドも期待されていそうだ。

he Cité internationale du cinéma d’animation d’Annecy

 施設は市の中心部で、映画祭のメイン会場のやや北にあたるハラス地区に位置する。緑に囲まれた歴史的な建物をリノベーションして活用する。
 ここに常設展示室と企画展示室、それに上映施設も備えた博物館機能のほか、国内外のアニメーション作家が滞在して作品制作をするアーティスト・イン・レジデンス施設、教育施設、さらに書店やギフトショップも備える。CITIAは世界のアニメーション映画の拠点を目指すとしている。
 アニメーション総合センターのプロジェクト予算は2600万ユーロ(約41億円)、また周辺地域や建物の改装を含む総予算は4200万ユーロ(約63億円)となる。既存の建物の利用のため、総工費は総合施設としては抑え気味の予算と見える。

 施設が建設されるアヌシー市は、フランス北東部アルプスの麓にある小都市である。交通の便は必ずしもよくないが、湖の畔の立地や風光明媚なことから観光地・リゾート地として訪れる人が多い。
 日本では世界最大のアニメーション映画祭の開催地としてよく知られている。映画祭は毎年6月に開催され、世界から1万6000人のアニメーション関係者が集まる。
 恒久施設を設けることで、こうした強みをさらに活かしてアニメーションの街を売りだす。夏の一時期だけでなく、通年でも関係者や観光客が訪れることを目指すことになりそうだ。

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