
2025年8月5日、バンダイナムコホールディングスは2026年第1四半期(25年4月~6月)の決算発表をした。玩具、ゲーム、アニメのいずれにも勢いがあり、好調なスタートを切った。
連結売上高は3004億円(前期比7%増)、営業利益519億円(17.9%増)、経常利益546億円(11.4%増)、当期純利益383億円(12.6%増)と第1四半期として過去最高の業績である。
なかでも顕著だったのは、バンダイナムコフィルムワークスやバンダイナムコミュージックライブ、創通などのアニメを中心とする映像音楽事業である。売上高は212億6500万円(21.5%増)、営業利益は42億3000万円(69.6%増)と大きな伸びになった。
期間中に主力のガンダムシリーズの最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が投入され、大ヒットになった。劇場興行収入、グローバルでの配信、さらに商品・サービスのライセンス展開が好調で業績を押し上げた。また『ブルーロック』配信やライセンスも堅調だった。
第1四半期の「ガンダム」の好調は、キャラクター別売上からも読み取れる。期間中のシリーズ売上高は654億円、前年同期の361億円から78%増と大きく伸びた。「ワンピース」328億円、「ドラゴンボール」265億円を大きく上回る。
ただし映像音楽事業の通期売上見通しは、前年とほぼ同じ900億円を計画している。前年は第2四半期に大きなヒットがあったことから、その反動を含めて慎重に見ているようだ。
トイホビー事業は売上1468億9300万円(10.6%増)、営業利益は285億7100万円(6.0%増)。ガンプラのほかフィギュア、一番くじ、大人層向けの商品が、好調だった。
ゲームが軸となるデジタル事業は1077億7000万円(1.4%増)、営業利益217億400万円(47.3%増)となった。引き続き『ELDEN RING』関連が好調など、主力タイトルの役割も大きい。アミューズメント事業は、338億2000万円(2.4%増)、営業利益は20億7300万円(25.3%減)とである。
また第1四半期決算直前にあたる7月24日には、ソニーグループと戦略的な業務提携契約を締結を発表している。ソニーグループが、バンダイナムコの株式1600万株を約680億円で取得するというものだ。株式取得により、ソニーグループはバンダイナムコの発行済株式の約2.5%を保有する大株主になる。
決算発表の説明会では、これについてもあらためて言及をしている。提携の筆頭にアニメの制作や配信、商品化が挙げられている。さらに体験型エンタテインメント、技術やサービスの共同開発・運用、さらにファンと関わる分野での共同出資や業務提携をあげている。いずれも日本を代表するエンタテインメント2社の協業となれば、インパクトは大きそうだ。