2019年の最も優れた作品をアニメ業界の専門が選出する「東京アニメアワードフェスティバル2020」のアニメ オブ ザ イヤーの受賞作品が発表された。アニメ オブ ザ イヤーは、劇場部門とテレビ部門の作品賞、そして5部門の個人賞から構成されている。
作品賞の劇場部門は新海誠監督による『天気の子』が選ばれた。テレビ部門は吾峠呼世晴氏のマンガをアニメ化した『鬼滅の刃』となった。いずれも2019年に一大人気となった作品で、ファンからの支持に加えて作品としても高い評価を受けた。
『天気の子』は2019年7月19日に公開、2016年に『君の名は。』で大ヒットを飛ばした新海誠監督/コミックス・ウェーブ・フィルムの最新作にあたる。都会の中で出会った少年と天気を変える力を持った少女の不思議なストーリー。興行収入140億円を超える2019年最大のヒット作である。
『鬼滅の刃』は大正時代を舞台に鬼と化した妹を人間に戻すため、鬼と戦う「鬼殺隊報」に加わった主人公の活躍を描く。原作単行本の脅威的な売上が話題を呼んだ。
両作品で活躍したクリエイターが、個人部門でも受賞している。監督・演出部門の受賞者は『天気の子』の新海誠監督、そして原作・脚本部門は『鬼滅の刃』の原作者・吾峠呼世晴氏である。アニメーター部門の松島晃氏も『鬼滅の刃』のキャラクターデザイン・総作画監督を務めた。原作のキャラクターの魅力を映像で動かすキャラクターに見事に昇華させている。
アニメ オブ ザ イヤー個人部門の顕彰ジャンルはたびたび変更されているが、現在は大きな枠で5部門に集約されている。このほか美術・色彩・映像部門は渡邊美希子氏に。『 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 』の繊細で美しい美術が評価されたかたちだ。音響・パフォーマンス部門は、劇伴で長年活躍する梶浦由記氏となった。2019年も『Fate/stay night 【 Heaven’s Feel 】』や『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』と話題作で活躍している。
またファン投票によって決定するアニメファン賞は、『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジ LOVE キングダム』となった。こちらも興収18億円超の大ヒット作だ。ファンの支持の熱さを感じさせる結果だ。
アニメ オブ ザ イヤーは、2002年に「東京国際アニメフェア」の併催でスタートした。海外からも作品を募る公募部門、アニメの功労者を顕彰する功労部門などと並んで選ばれている。
2014年からは「東京アニメアワードフェスティバル」内で実施されている。イベントは今年も3月13日から16日まで、東京・池袋で開催される。フェスティバルではアニメ オブ ザ イヤーの授賞式も行われる。
東京アニメアワードフェスティバル2020
https://animefestival.jp/ja
【アニメ オブ ザ イヤー 受賞者・受賞作品】
[作品部門]
劇場映画部門 『天気の子』
テレビ部門 『鬼滅の刃』
[個人部門]
原作・脚本部門: 吾峠呼世晴
監督・演出部門: 新海誠
アニメーター部門: 松島晃
美術・色彩・映像部門: 渡邊美希子
音響・パフォーマンス部門: 梶浦由記
アニメファン賞
『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジ LOVE キングダム』