「すごいぞ!はたらく知財」 14歳で「知的財産」を学ぶ本が登場

はたらく知財

 14歳から「知的財産」とそれにまつわる仕事(ビジネス)を学ぼう! そんなちょっと驚くコンセプトの一冊が、このほど登場した。2019年11月30日に晶文社から刊行された「すごいぞ!はたらく知財 14歳から知的財産入門」だ。
 「知的財産」と聞くと、大人でもちょっと難しいことでないかと思いがちだ。しかし本書は少し大きめの字、優しい語り口は10代でも理解するのに十分だ。
そしてアニメや映画、ゲーム、キャラクター、音楽といったコンテンツ、テレビや芸能、さらには文学やアート、伝統工芸までシンプルにジャンル分けをしている。いずれも子どもたちにも気になるクリエイティブな領域だからとっつき易い。気になる章からピックアップして読み進めることも可能だ。 

 子どもたちは一体どの歳で、将来の職業を意識しだすのだろうか。人それぞれだし、目標が最後まで変らない人は珍しいだろう。
 だから“14歳から”と言われると、早く感じる人も多いだろう。それでもここで取り挙げられるテレビ、映画、アニメ、音楽、芸能……は、間違いなく人気職業だ。多くは憧れとなっているが、ただ実際の仕事がどんなものか、それらがどう動いているのかは知られていない。

 いずれの章も、実際に業界に携わる企業やビジネスパーソンが自らの仕事を紹介していくなかで学ぶ仕組みとなっている。
 たとえばアニメであればサンライズにフォーカスされる。サンライズのプロデューサーが「機動戦士ガンダム」シリーズなどを例にとって、製作と制作の違いなどを語る。映画では東宝、文学は谷川俊太郎氏、アートでは東京国立近代美術館が登場するといった具合だ。
 さらに各分野がそれぞれに特に重要なトピックスを扱っている。アニメであれば「二次利用」、芸能であれば「肖像権」、ゲームであれば「特許権」、キャラクターであれば「商標権」。章が進に連れて、複雑に思える知的財産の構造が解き明かされていく。
 
 本書はコンテンツやカルチャーがいかに仕事として成り立っているのかを紹介し、その中心のひとつに知的財産があることを知ってもらう機会になる。そこから各業界を知り、さらに目指してくれるようになったら、との願いも込められているに違いない。
 もちろんもっとシンプルに、知財の大切さを理解して欲しいとの狙いもある。著作権の大切さも学べるから、著作権がクリエイティブの再生産のシステムの中心になっており、それを守るべき理由もわかる。
 さらにこうした学びは子どもたちに限らない。そのやさしい切り口は、むしろ大人でも空いた時間でも気軽に手に取って知的財産に触れて欲しいと思わせるのに十分だ。

「すごいぞ!はたらく知財 14歳から知的財産入門」
https://www.shobunsha.co.jp/?p=5529
晶文社 1500円(+税)
内田朋子/萩原理史/田口壮輔/島林秀行
監修:桑野雄一郎

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