映画会社大手の東宝が、2022年2月期の配当予想を上方修正した。これまでは第2四半期支払い済の1株当たり17.5円に加えて期末に同じ17.5円、通期で35円としていた。期末分の配当に新たに特別配当10円を増額し、合計27.5円とする。年間では35円となる。
東宝の株主配当は近年の好調な業績を反映して、2017年から19年までは年間45円、2020年は55円となっていた。しかし21年はコロナ禍で映画や演劇などの興行が低調で減収減益となったことから35円にとどまっていた。22年はこれを45円水準に戻すことになる。
配当予想の引き上げは、好調な業績によるものだ。追加の配当は、業績連動分と位置付けている。東宝によれば、2022年2月期は依然、新型コロナウイルス感染症拡大の影響はあるが、業績を回復させている。
映画配給では『劇場版 呪術廻戦 0』が2月20日までに興行収入116億円、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は102億円の大ヒットになっている。特に『劇場版 呪術廻戦 0』は配給や興行だけでなく、製作にも関わる主力タイトルである。
さらに演劇事業、不動産事業も順調に推移している。東宝では今期の連結売上高を前年比17.7%増の2260億円、営業利益を380億円(69.3%増)、経常利益を400億円(65.3%増)、当期純利益を260億円(77%)の増収増益と予想している。