メディアドゥ第2Qは2桁の減収減益、LINEマンガ取引離脱の影響残る

ファイナンス決算

 2023年10月12日に発表されたデジタル出版流通のメディアドゥの2024年2月期第2四半期決算が厳しかった。連結売上高は463億9700万円と前年同期比で14.4%減となったほか、下げ幅も拡大した。同社の主要顧客であったLINEマンガ向けの電子取引業務が他社に移管された影響が大きかった。
 売上げ減少に伴い営業利益も9億9300万円(25.6%減)、経常利益は9億3700万円(27.2%減)、当期純利益は5億900万円(18.9%減)に縮小した。メディアドゥは通期での移管による減収は売上高で115億円程度、第3四半期からは業績への影響は薄れていくとする。

 電子書籍流通事業の売上高は428億200万円(15.6%減)、営業利益は25億1000万円(8.8%減)だった。
LINEマンガ向け以外の売上だけで比較した場合、売上高は453億円と前年同期比で3.1%増となる。電子書籍流通事業は着実に成長しているとメディアドゥは説明する。今後は2024年2月期を基準ラインとして見通すと、メディアドゥの業績を理解しやすそうだ。

 もう一点、成長の鍵となるのが、積極的な事業立ち上げ、企業買収が続く、戦略投資事業である。NFT関連のFanTop、小説投稿サイトのエブリスタ、出版の日本文芸社、データ活用やマーケティング・ECなどの海外事業などから構成されている。
 売上高は35億8600万円(2.7%増)で、先行投資が大きく7億3700万円の営業損失となっている。今期は事業ポートフォリオの見直しに動いており、ファンサービスのNagisa、デジタルマンガプラットフォームのJコミックテラスを事業譲渡している。これが事業部門で減収要因となっている。一方でFanTop事業、国際事業は売上げと利益を伸ばした。今後は成長部門のさらなる利益と多彩な関連事業のシナジー効果の発揮が期待されるだろう。

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