米国のエンタテイメント情報のIndieWireは、ウォルト・ディズニーの広報担当者の発言として、同社がアニメーション制作スタジオのひとつディズニートゥーンスタジオ(Disneytoon Studios)を閉鎖する方針だと伝えた。
これにより2019年3月公開予定とされていた「プレーン」シリーズ劇場映画第3弾の開発は中止、公開も取りやめる。長編アニメーションの制作は、ディズニー・スタジオとピクサー・スタジオのふたつにフォーカスすることになる。
ディズニートゥーンスタジオは、1990年にスタート。DVD/Blu‐ray向けのオリジナル長編アニメーション制作を中心として、長年、ディズニーグループを支えてきた。『くまのプーさん』や『ティンカー・ベル』といった代表作がある。
その後、劇場映画にも進出、「プレーン」シリーズなども手がけてきた。ディズニー・スタジオ、ピクサー・スタジオに続く、ディズニーグループの3番目のスタジオとして知られ、長編作品の制作はおよそ50本にもなる。
作品創作の中心となるチーフ・クリエティブ・オフィサー(COO)は、先頃、ディズニーからの退職を表明したジョン・ラセター氏が2007年以来務めていた。ディズニーとピクサーの後任COOは発表されていたが、ディズニートゥーンの後任は明らかにされていなかった。
スタジオ閉鎖の理由は明らかにされていない。しかし、ディズニートゥーンが得意としてきたDVD/Blu‐ray向けの作品ニーズの低下、さらに2006年にディズニーがピクサーを経営統合したことも理由にありそうだ。
グループ一社で3つのスタジオの作品を劇場公開するスケジュール調整は、かなり複雑であったとみられる。また近年、アニメーション映画の全米公開本数は増加傾向にあり、劇場興行の競争も激化している。そのなかで低予算ではあるが、興行収入も少ないディズニートゥーンが再編の対象となったというわけだ。