第27回CGアニメコンテスト 作品賞に「東京コスモ」 グランプリは4回連続“該当なし”

アワード/コンテスト

自主制作のCGアニメーションを対象とする第27回CGアニメコンテストの受賞作品が先頃決定した。9月17日に開催された京都国際マンガ・アニメフェア2016のステージにて発表された。
作品賞に『東京コスモ』(宮内貴広)が選ばれ、アニメーション賞には『ボンとハレトモ~古代遺跡で大慌て~』(uwabami)が決まった。このほか佳作が4作品、入選が13作品と、2016年の時代を映す作品が並んだ。しかし、前回に引き続きグランプリは該当なしとなり、4回連続のグランプリ不在となった。
CGアニメコンテストの入選作品から、今後、アニメーション制作の国際団体戦CGアニカップの代表者が選ばれる。CGアニカップは、2017年に京都、中国、韓国の二都市で開催を予定している。

CGアニメコンテストは1989年に、個人制作のCGアニメーションの作品発表の場としてスタートした。それまで国内では知られることの少なかったインディーズのCGアニメーションの紹介と普及に大き役割を果たした。
この分野で先駆的なイベントで、本コンテストで受賞後に、より大きな商業作品で活躍するクエイターも数多い。2000年には現在『君の名は。』が大ヒット中の新海誠監督が『彼女と彼女の猫』でグランプリに輝いている。『イヴの時間』の吉浦康裕監督、『陽なたのアオシグレ』監督や『台風のノルダ』のキャラクターデザイン・作画監督である石田祐康、『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』の3D監督の宍戸幸次郎らもいる。

作品賞の『東京コスモ』は、監督・CGの宮内貴広と同じ専門学校出身の岡田拓也(ストーリー原案・絵コンテ)、北村翔平(プロモーション)がチームを組んでいる。3人は現在はCGスタジオの白組に所属しており、すでに活躍を始めている。これまでにDigiCon 6 ASIAで観客賞、富山水辺の映像祭スフィア 2015 グランプリなども受賞し、今回はそれに続くものだ。
アニメーション賞の『ボンとハレトモ~古代遺跡で大慌て~』を監督したuwabamiは、イラストやアニメーション、絵本などで多彩な活躍をする。オリジナルな画法キャラストレーションを掲げる。受賞作はひとつの画面のなかで、同時多発的なストーリーが印象的な画面構成で展開する。

第27回CGアニメコンテスト 受賞作品

■ グランプリ 該当なし

■ 作品賞
「東京コスモ」 (宮内貴広)

■ アニメーション賞
「ボンとハレトモ~古代遺跡で大慌て~」 (uwabami)

■ 佳作
「Perfect Houseguest」 (Ru Kuwahata(桑畑かほる)&Max Porter)
「東北東、十七の空」 (石川耕大)
「VOYNICH」 (Waboku)

■ 入選
「ラブレター」 (しかの)
「堀川出水入る」 (谷耀介)
「Willy’s Night of Surprises」 (Team-AT1)
「Cirque le coeur」 (グラフィックパーク)
「ひとりぼっちのヒーロー」 (若井麻奈美)
「New」 (有馬將太)
「ROBBER’S COMPANY」 (高尾圭)
「だいじょうぶ。」 (石井章詠)
「夜明け前のレゾナンス」 (百舌谷)
「ゾンビ入門」 (多田文彦)
「手乗り上司」 (野中晶史)
「獅子として生きる」 (ZENTOY)
「てのひらの宇宙」 (池田ピロウ)

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