大手書籍チェーンの文教堂はキャラクターグッズ販売・アニメ専門店運営の「アニメガ事業」を、PC機器販売のソフマップに事業譲渡する。2019年9月27日、文教堂グループホールディングスとソフマップの両社が発表した。
9月27日に文教堂グループが取締役会で決議、10月31日に譲渡を実施する。11月1日からはソフマップのもとでショップ運営が継続される。譲渡金額についてはソフマップ側の強い要請により開示しないとするが、全額現金決済にて支払われる。
文教堂は川崎市に本社を持つ1898年創業の老舗書店に源流がある。1970年代にチェーン展開をスタート、90年代に株式公開をして事業拡大を続けた。
しかし近年はネット書店の浸透などによる書籍の店舗販売減少の波を受けていた。ジュンク堂や大日本印刷の子会社になったこともあったが業績は好転せず、2018年3月期決算で債務超過に陥っていた。
アニメガ事業は2011年の武蔵境駅前店に一号店をオープン。独自開発も含めたアニメやマンガ、ゲームのキャラクターグッズを取り扱っている。またコラボカフェブームに乗った「アニメガカフェ」も運営していた。2019年9月27日現在で、全国28店舗を展開している。
2018年3月期決算で年間売上高は5億2500万円、7700万円の経常損失を計上していた。アニメガ店舗の多くは文教堂書店、文教堂JOY内にあるが、順次ソフマップへ引き継ぎ、一部は閉鎖する。
事業譲渡の理由は債務超過に陥った本体事業立て直しの一環だ。周辺事業を切り離し、書店経営・文具販売に経営資源を集中する。もともとアニメガ事業は、多角化による経営の安定を狙ったものだが、そうした方針を転換する。
一方ソフマップはパソコン・デジタル機器の販売で知られているが、各店舗ではアニメ・キャラクター商品も大きく扱っており親和性はある。これまでもソフマップ各店では、アニメガブランドの商品を取り扱ってきた。
また今年7月で閉鎖した「文教堂ホビー&アニメガ情報サイト」に代わり、通販サイト「アキバ☆ソフマップドットコム」内に「アニメガ オンライン」を設けて通販事業の窓口ともなっていた。こうしたつながりから事業譲渡の引き受け先として浮上したとみられる。