アスラフィルム、トルコ/アルゼンチンでクリエイターと協業を目指す

提携

 東京都杉並区のアニメ・映像会社のアスラフィルムが、注目の新興国でアニメーション制作に関わる業務提携を相次ぎ結んだ。トルコのCG会社CAVE、それとアルゼンチンRudoのアニメーターであるパブロ・ロルデン氏とエゼキエル・トーレス氏である。世界の幅広い才能と手を組むことグローバル市場を目指す。
 アスラフィルムは2013年に望月重孝氏設立した映像制作会社で、都内のほか沖縄、岡山、金沢、海外では中国・無錫にスタジオを持つ。早くからフランスや香港などの国際見本市に参加するなど、海外展開に積極的に取り組んできた。海外企業からの案件受注もしている。
 これに加えて海外の優れたクリエイターとの協業の可能性も探ってきた。今回の提携は、そうした成果でもある。

 パートーナーシップを結ぶエルデム・タイラン氏は、トルコ出身の3DアニメーターでDreamWorksとPIXARで25年以上の経歴を持つ。『アンツ』『シュレック』などの携わり、『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』ではエフェクト監督を務めた。『Cars』ではチーフデザイナーとスーパーバイザーを担当するなどCGアニメーションのエキスパートである。
 現在は母国トルコで設立したアニメーション制作とソフトウェア開発のCAVEを拠点にソフトウェア開発とオリジナル3Dアニメーションの作品制作をする。アスラフィルムとは、3Dアニメーション制作/ソフトウェア開発、日本・トルコ両国のクリエイター育成などに共同で取り組む。

 パブロ・ロルデン氏とエゼキエル・トーレス氏は、アルゼンチン在住のアニメーターである。新進気鋭クリエイターとして活躍しており、世界からも注目が高い。いずれも日本のアニメを深くリスペクトしていることから業務提携が実現した。
 アスラフィルムとは共同で、IP開発やアニメーション受託制作事業を展開していくことで合意した。さらに現在は、日本の著名なアニメ監督と共にプロモーションビデオを制作している。

 日本アニメの海外展開と言えば、市場の大きな北米、中国、ヨーロッパに目が向きがちだ。一方で世界のエンタテイメント市場は新興国の成長が著しい。同時に多くの才能が溢れる地域にもなっている。アスラフィルムは、そうした世界のトレンドをいち早く捉えたかたちだ。

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