東宝第1Q増収増益好調も、アニメ事業は前年比37%減

ファイナンス決算

 映画会社東宝の2020年3月期決算が好調なスタートを切った。2018年3月から5月までの第1四半期は連結売上高が677億4200万円と2.3%と小幅増であったが、利益が大きく伸びた。営業利益は159億8800万円(25.4%増)、経常利益は161億1100万円(24.8%増)、当期純利益は110億200万円(36%増)であった。
 映画事業、演劇事業、不動産事業のいずれもが増収増益だった。とりわけ主力の映画事業が売上げ443億9900万円(1.8%増)、営業利益101億5300万円(26.1%増)と牽引した。

 映画事業は国内配給が特に好調で配給収入は前年比29.9%増の152億8200万円と大きく伸びた。『映画ドラえもん のび太の月面探査記』、『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』、『名探偵ピカチュウ』、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』、『バンブルビー』が主力となった。
 製作出資に対する配分金収入が4億1800万円(22.1%増)、輸出売上げが5億1400万円(18.9%増)、テレビ放映収入が4億9300万円(91.1%増)、ビデオ収入が3億9600万円(90.1%増)である。
 TOHOシネマズを中心とした映画興行は、225億2000万円(3.1%増)、営業利益は43億2400万円(13.2%増)。他社配給作品でも『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『グリーンブック』、『キャプテン・マーベル』といったヒット作があった。
 
 しかしビデオソフトやODS興行、アニメ製作などの映像事業は弱かった。売上高は71億4000万円(17.2%減)、営業利益は14億4400万円(14.7%減)と減収減益である。実写製作が7億3300万円(105.7%増)、ODSが4億6300万円(93.0%増)と伸びたが、DVD/ブルーレイやアニメが不振だった。パッケージ事業は11億4700万円(59.5%減)、アニメ製作は15億6600万円(37.1%減)である。
 アニメ事業では『名探偵コナン 紺青の拳』のほかテレビアニメ『Fairy gone フェアリーゴーン』などに製作出資した。しかし前年あった『僕のヒーローアカデミア』には及ばなかったとみられる。

 映像事業部としてのアニメ事業は低調だが、配給におけるアニメシフトと依存はますます強まっている。今期は前作が250億円超となった新海誠監督の最新作『天気の子』が第2四半期にあたる7月18日に全国公開となった。今後はこの成績が業績を大きく左右しそうだ。
 7月までに興行収入が90億円を超えた『名探偵コナン 紺青の拳』をはじめ、『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』、『映画ドラえもん のび太の月面探査記』、『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』と例年どおりの大型作品を配給している。さらに今年は『きみと、波にのれたら』、『海獣の子供』、『プロメア』と劇場オリジナルにも積極的で、コアファン向けには「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System」とアニメ配給に積極的だ。
 今後もCGアニメ4作品『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』、『HELLO WORLD』、『ルパン三世 THE FIRST』、『HUMAN LOST 人間失格』、そして『空の青さを知る人よ』、『ユーリ!!! on ICE 劇場版 : ICE ADOLESCENCE』、『映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか』、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』、『劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン未来からきた神速のALFA-X』が次々に公開する。今期中のアニメ映画配給は現在分かっているだけで20本近くに及ぶ。熱心なファンの多いアニメを手堅い作品として取り上げるだけでなく、劇場オリジナルを通じて第2、第3の細田守、新海誠の発掘も期待していそうだ。

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