2025年1月14日に発表された東宝の2025年2月期第3四半期決算は、同社の好調な業績を印象づけた。第3四半期までで連結売上高は2341億6900万円と前年同期比15.3%増、営業利益は528億100万円(26.9%増)、経常利益が515億5200万円(16.7%増)、当期銃利益341億4100万円(20.2%増)と増収増益だ。
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』や『キングダム 大将軍の帰還』などの大ヒットがあった映画営業事業が業績を牽引。演劇事業も好調だった。
アニメ事業の成長も続いている。第3四半期まででTOHO animationレーベルに関連するアニメ事業の売上高は437億2200万円と、前年同期比で80%もの増加になっている。アニメ事業の通期売上高予想は示されていないが、500億円の大台を超えてくると見ていいだろう。
好調の理由は『ハイキュー』、『僕のヒーローアカデミア』、『呪術廻戦』といった大型タイトルの好稼働にある。『薬屋のひとりごと』や新作の『怪獣8号』も貢献している。
『劇場版 ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』が興行収入116億円と大ヒットになった劇場公開は売上高70億2000万円と前年の3倍超、『ハイキュー!!』と『呪術廻戦』が好調だった商品販売も67億5100万円と3倍超だ。
アニメ事業で売上が最も大きい配信は162億2200万円(49.1%増)、こちらは『僕のヒーローアカデミア』が全体を牽引しているとする。このほかキャラクターライセンス83億5200万円(41.2%増)、パッケージ25億9800万円(77.8%増)、さらに製作委員会の出資配分金、ゲーム化権から27億7600万円(70.4%増)となっている。
アニメ事業の国内外比率では国内が310億600万円(110.7%増)と海外の127億1500万円(32.9%増)を上回った。国内比率が70.9%、『劇場版 ハイキュー!!』の国内興行の好調が影響したとみられる。