2017年2月24日から3月5日まで、ベルギーの首都ブリュッセルで国際アニメーション映画祭「ANIMA」が開催された。2017年で開催から36年目を迎えるヨーロッパを代表するアニメーション映画祭のひとつである。
会期中10日間で279本の作品が上映され、VRの企画を初めとした特集上映も設けられた。また世界各国からゲストも訪れ、動員数は前年の4万2000人を大きく超え、過去最高を記録するほどの盛況となった。
映画祭の最終日となった5日には、7部門からなるコンペティション部門の受賞作品が発表された。このうち観客賞・最優秀長編アニメーション賞に、新海誠監督の『君の名は。』が選ばれた。『君の名は。』が海外でアワードに輝くのはスペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭の最優秀長編アニメーション賞、プチョン国際アニメーション映画祭の優秀賞/観客賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞長編アニメーション賞に続くものだ。
ANIMAの国際コンペティションは、審査員賞(Jury Awards)と観客賞(Audience Awards)に大きく、ふたつに分かれている。しかし、審査員賞は短編作品を対象としているため、観客賞は長編映画では映画祭の最高の賞にあたる。
観客賞・最優秀長編アニメーション賞は、昨年は細田守監督の『バケモノの子』が受賞している。2年連続で日本作品が受賞したことになる。
ANIMAの長編アニメーションの2017年のコンペティション作品は、11本。日本からは『君の名は。』のほか、長井龍雪監督の『心が叫びたがってるんだ。』と片渕須直監督の『この世界の片隅に』も出品されていた。このうち『心が叫びたがってるんだ。』は、スポンサー賞にあたるBeTV最優秀長編アニメーション賞を受賞している。日本から2作品がアワードに選ばれ、その存在感を発揮した。
昨年は水尻自子監督の『幕』が審査員特別賞を受賞した短編部門は、日本から受賞はなかった。
Anima: Brussels Animation Film Festival
http://www.animafestival.be/