新しい画像処理技術のベンチャー企業Live2Dが、2019年2月16日に、自社制作のオリジナルショートアニメ『Beyond Creation』をYouTube上に公開した。全編で4分あまりの作品は、ほぼ全編を同社のオリジナル技術”Live2D“にて制作した。
『Beyond Creation』は、16日のLive2Dデザイナー向けイベント「Live2D Designer’s Day」にて初披露されたばかり。Live2Dの技術の可能性を示すフラッグシップ的な映像だ。
会社としてのLive2Dは2006年に設立された。設立から10年あまりの新興企業だ。しかしゲームやスマホアプリ業界でその存在感は、いまはとても大きい。Live2D が開発した2Dで描かれたイラストをアニメーションとしてダイナミックに動かす技術は、従来の手描きアニメやCGアニメとは異なった発想で動画を実現する。それがいまや広く普及しているからだ。
この技術には、すでに大手企業が関心を寄せている。2018年春にアニメ製作大手のアニプレックスはLive2Dと業務資本提携し、株式の過半数を取得している。Live2Dの将来性に目をつけた。
これまではゲームやアプリ、CMで積極的に活用されてきたLive2Dだが、いまやこれをアニメ番組に使用する試みに挑戦している。それが今回の『Beyond Creation』になる。『Beyond Creation』では、本編のほぼすべてがLive2Dを使用した映像となった。企画・制作はLive2D所属のデザイナーチームLive2D Creative Studioが担当した。
またストーリーもLive2Dらしいものとした。クリエイターが描いたイラストを思った通りに動かしたいという気持ちを体現した心暖まる作品とし、Live2Dの技術の新しさを紹介するPVの役割も果たしている。
しかし今回の作品は、今後予定するさらに大きな目標の第一歩に過ぎない。Live2Dはアニプレックスと共同で長編アニメ映画の制作を目指している。今回はLive2D Creative Studioが、その可能性を示した。今後はさらに大きな作品がLive2Dの技術で実現することになりそうだ。
Live2D Creative Studio
https://www.live2d.com/