- Home
- テレビ/配信/映像ソフト, ニュース, 海外ビジネス
- 米国で日本アニメ専門配信の新サイト「HIDIVE」がスタート
米国で日本アニメ専門配信の新サイト「HIDIVE」がスタート
- 2017/6/30
- テレビ/配信/映像ソフト, ニュース, 海外ビジネス
日本アニメの配信視聴が人気の米国に、新たな日本アニメ特化型の映像プラットフォームが2017年6月に誕生した。6月20日に「HIDIVE」との名称で公式サイトをオープン、ベータ版のサイトを運用している。現在は『銀河英雄伝説』など、多くのタイトルをラインナップしている。
公式サイトによれば、HIDIVEはアニメファンのニーズに応える新しい映像プラットフォームになる。また配信地域は米国だけでなく、カナダ、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージランド、南アフリカと英語圏を広くカバーする。さらにラテンアメリカや北欧、オランダにも配信をし、当初からグローバルな展開を目指している。
サイトでは既に、無料と有料のふたつのタイプの会員の募集を開始した。無料会員でも多くの作品が視聴できる一方で、月額課金の有料会員は全作品をHDで視聴できるなどの特別なサービスを用意する。
無料と有料のふたつのメンバーの併用は、先行するアニメ専門の映像プラットフォームのクランチロールと同様の仕組みを導入している。しかし、料金は現在月額3.99ドルと、月額6.99ドルのクランチロールよりもかなり低めに押さえている。これはスタート時の特別価格としていることから、今後は、引き上げる可能性も高そうだ。
プラットフォームを運営するHIDIVE LLCは、テキサス州ヒューストンに拠点を構えるが、会社の詳細は不明だ。一方で2002年から続く、日本アニメ専門チャンネルのAnime Networkのオンライン部門Anime Network Onlineの資産を引き継いだことを明らかにしている。Anime Networkが新会社を設立することで、事業を一新したとも見て取れる。
Anime Network Onlineの公式サイトでは、2017年8月19日に全サービスを停止することを告知している。また兄弟・グループ会社として、HIDIVEへの移行を薦めている。
Anime Networkは、2002年当時に米国の日本アニメビジネスの大手であったA.D.ヴィジョンのグループ会社として設立された。2009年にA.D. ヴィジョンが事業停止して以降は、独立会社となっている。独立後も、同じくA.D.ヴィジョンから分かれたセンタイ・フィルム・ワークス、セクション23フィルムとビジネス関係が深い。
HIDIVE LLCは、Anime Network Onlineの資産・タイトルを引き継ぐ一方で、新たな作品の買付けに積極的だ。サービス開始後一週間あまりで、7月期の新アニメシリーズ『バトルガール ハイスクール』、『恋と嘘』、『メイドインアビス』や、『覆面系ノイズ』、『武装少女マキャヴェリズム』、『サクラダリセット』、『落第騎士の英雄譚』、『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』、『ゼロから始める魔法の書』、『アトム ザ・ビギニング』、『カブキブ!』などの配信ライセンス獲得を相次いで発表している。
米国では、アニメ配信の大手クランチロールと、そのライバルであったファニメーションが2016年秋に業務提携をした。これにより日本アニメの配信ライセンスの獲得競争が沈静化するのでないかとみられていた。しかし、2017年1月にはAmazon.comが日本アニメに特化した「Anime Strike」をスタート。さらに今回のHIDIVEの立ち上げは、海外向けの日本アニメビジネスが依然、過渡期にあることを示していそうだ。
HIDIVE https://www.hidive.com/