一般社団法人日本映画製作者連盟は、2019年1月30日に2018年度の映画興行概況を発表した。昨年1年間に劇場で観られた映画の規模などを明らかにするものだ。
興行収入は全体で2225億1100万円、前年比で2.8%減少となったが、歴代3位と高水準を保った。来場者数も1億6921万人と前年比3%の微減である。平均入場料金が1310円から1315円に上昇したことで、興行収入の下げ率がやや低くなっている。単価の上昇はいIMAXや4DXといった料金の高い上映形態の増加が影響していそうだ。
また2018年の映画館スクリーン数は3561であった。こちらは前年比で36スクリーン増で、増加トレンドが続いている。
興行収入全体に占める邦画の割合はほぼ前年並みの54.8%。洋画は45.2%と、世界でも数少ない国内映画の興行が優勢の状況が続いている。
さらに邦画公開本数が594本から613本と伸びた一方で、洋画593本から579本に減っている。公開本数が絞り込まれたかたちだ。年間興行1位が『ボヘミアン・ラプソディ』の104億6000万円(1月30日現在上映中)だったほか、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』の80.7億円など、当たれば大きいのも洋画特長でもある。
アニメついては『名探偵コナン ゼロの執行人』が91.8億円とシリーズ最高を更新する記録的な大ヒットとなった。また『映画ドラえもん のび太の宝島』も53.7億円のヒットとなった。
しかし興行収入10億円超えの邦画アニメは、2作品のほか『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』(30.9億円)、『未来のミライ』(28.8億円)、『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』(20.4億円)、『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱大乱~』(18.4億円)、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』(17.2億円)、『映画HUGっと!プリキュア?ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』(11.5億円)の8本にとどまった。これは2017年度の10本よりも少ない。
興行収入10億円以上の邦画アニメの合計も297億円から272億円になる。2018年はやや小粒な話題作の年だったかもしれない。
洋画アニメーションも軟調だった。10億円以上は、『リメンバー・ミー』(50億円)、『インクレディブル・ファミリー』(49億円)、『ボス・ベイビー』(34.4億円)、『ピーターラビット』(11.2億円)の4本。本数は変わらないが、金額では193億円から144億円の大幅ダウンとなった。
[2018年度 興行収入10億円以上の邦画アニメ]
『名探偵コナン ゼロの執行人』 91.8億円(東宝)
『映画ドラえもん のび太の宝島』 53.7億円(東宝)
『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』 30.9億円(東宝)
『未来のミライ』 28.8億円(東宝)
『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』 20.4億円(東宝)
『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~』 18.4億円(東宝)
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』 17.2億円(東宝)
『映画HUGっと!プリキュア?ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』 11.5億円(東映)
[2018年度 興行収入10億円以上の洋画アニメーション]
『リメンバー・ミー』 50億円(ディズニー)
『インクレディブル・ファミリー』 49億円(ディズニー)
『ボス・ベイビー』 34.4億円(東宝東和)
『ピーターラビット』 11.2億円(ソニー・ピクチャーズ)