細田守の20年を一望 東京国際映画祭の特集企画に「デジモン」「どれみ」「ナージャ」、村上隆作品も

映画監督 細田守の世界

10月25日から11月3日まで、第29回東京国際映画祭が開催される。海外に向けた映画文化の発信も掲げるフェスティバルは、2年前より日本カルチャーを代表するアニメーションにも力を入れるようになっている。そのひとつが大物監督にスポットを当てた特集企画で、2014年は庵野秀明、2015年は富野由悠季を取り上げた。
そして今年は、2006年の『時をかける少女』以来、アニメーション映画の新たな表現に挑み続ける細田守をピックアップする。発表時から大きな話題を集めた「映画監督 細田守の世界」の全容が、9月26日に開催された映画祭のラインナップ発表会で明らかになった。会場となった虎門ヒルズフォーラムには細田監督自身も姿を見せ、特集の見どころも語った。

今回の特集は東映動画(現・東映アニメージョン)から独立後の4つの長編映画だけでなく、それ以前の作品も含めて振り返っていることだ。後の『サマーウォーズ』(2009)に大きな影響を与えたとされる『劇場版 デジタルアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム』(2000)は、アニメファンの間で傑作として知られている。
テレビ作品から唯一エピソードが上映される『おジャ魔女どれみ ドッカーン!』第40話も、傑作として名高いエピソード。細田はこの時代のTV作品について、「短編映画のつもりで作っていた。特にこの40話については、そうした気持ちが強かった」と説明する。テレビ作品からは2003年の『明日のナージャ』のオープニングとエンディングも上映される。
現代アーティストの村上隆とのコラボレーション2本は、これまでスクリーンで観る機会がほとんどなかった作品だ。服飾ブランドのルイ・ヴィトンの全世界の店舗でのみで上映された『SUPERFLAT MONOGRAM』(2003)、六本木ヒルズのオープンニングのために制作された『The Creatures From Planet 66~Roppongi Hills Story~』(2003)である。

細田守監督は映画祭で特集企画が組まれること、映画についての想いを「アニメーションの技法で映画を作ることにこだわってきた」と話す。そして、「アニメーションは子どものためのものと見られがちだが、もっと大きな可能性があるのでないかと、一作ごとに考えている」と。常に新しさを持つ細田作品の秘密がここにありそうだ。
細田監督の言葉は、映画祭の期間中にもっと聞くことが可能だ。多彩なゲストを招き「新しい映画」の可能性について語る連続トークセッションが設けられる。
映画監督の是枝裕和、アニメーション映画監督の堤大介、東京国立博物館の松嶋雅人、そして今回の特集のプログラミング・アドバイザーを担当した氷川竜介とは2日間にわたり語る。
さらに2015年NHK総合で放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀 アニメーション映画監督 細田守の仕事“希望を灯す、魂の映画”」の無料上映もあり、まさに細田守をまるごと知る機会となる。

第29回東京国際映画祭
http://2016.tiff-jp.net/ja/
「映画監督 細田守の世界」

■上映作品
 [長編映画]
  『時をかける少女』(2006)
  『サマーウォーズ』(2009)
  『おおかみこどもの雨と雪』(2012)
  『バケモノの子』(2015)

 [短編・中編映画]
  『劇場版 デジタルアドベンチャー』(1999)
  『劇場版 デジタルアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム』(2000)
  『おジャ魔女どれみ ドッカーン!』第40話 (2002)
  『SUPERFLAT MONOGRAM』(2003)
  『The Creatures From Planet 66~Roppongi Hills Story~』(2003)
  『明日のナージャ』オープニング/エンディング (2003)

■トークセッション ゲスト
 是枝裕和 (映画監督)
 氷川竜介 (特集のプログラミング・アドバイザー)
 堤大介 (アニメーション映画監督)
 松嶋雅人 (東京国立博物館平常展調整室長)

 

関連記事

ピックアップ記事

  1. アニメーションブートキャンプ 2017
     アニメーション制作の第一線で活躍するプロのもと、業界を目指す学生が4日間の合宿で技術を学ぶ「アニメ…
  2. 「デジタルコンテンツ白書2017」
     ますます変化の動きを早くしているコンテンツ産業を一望する書籍として活用されている「デジタルコンテン…
  3. オリジナルTVアニメ「URAHARA」
     日本のアニメがネット配信を通じて世界中に広がる中で、映像配信プラットフォーム発のオリジナルアニメが…
ページ上部へ戻る