ディズニー、アニメ配信で講談社と戦略的協業「東京リベンジャーズ」など
- 2022/11/30
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ウォルト・ディズニー・ジャパンは、出版大手の講談社とアニメ作品の配信で戦略的協業をする。両社は出版分野では約70年もの協業を続けてきたが、これを映像分野に拡大することになる。世界有数のエンタメ企業と国内でもトップクラスの出版社のアニメにおける協業の深化は、今後も注目を集めそうだ。
提携では講談社が扱うマンガを原作とするアニメをディズニーの動画配信サービスにて提供する。第一弾作品もすでに決まっており、2023年1月から人気アニメ『東京リベンジャーズ 聖夜決戦編』を国内外で定額見放題で独占配信する。国内ではディズニープラス、海外ではディズニープラスとDisney+ Hotstarにて、見放題での世界独占配信での番組提供となる。中国本土を除く全世界という大きなディールになった。
アニメ『東京リベンジャーズ』は、和久井健が講談社のマンガ誌「週刊少年マガジン」に連載した人気作品『東京卍リベンジャーズ』をアニメ化したものだ。東京卍會の抗争に巻き込また主人公タケミチがタイムリープを続けながら自分の運命を変えようとする。2021年4月から9月まで放送され人気を博したほか、2021年7月に公開された実写映画も大ヒットになった。
『東京リベンジャーズ 聖夜決戦編』はアニメ第2シーズンにあたるが、ディズニープラスは世界全体での独占配信と人気作品の囲い込みに大きく動いた。ラインナップの充実による顧客獲得戦略の一環だ。
ディズニーは成長する配信プラットフォーム事業に力を入れており、ディズニープラス、Disney+ Hotstar、Hulu、ESPN+など自社関連の動画配信サービス契約総数は2 億 3500 万人以上にもなる。世界でもトップクラスの規模を誇る。
それでも配信プラットフォーム間の競争は激しく、Netflix、Amazonプライムビデオなど強力なライバルがいる。有力番組の獲得競争も活発で、若い世代に人気のアニメも有力ジャンルのひとつだ。日本では2021年秋の「スター」ブランドの導入と共に、有力作品獲得に積極的だ。今回は個別の作品だけでなく、マンガを通じて多くの作品とつながる講談社と協力することで、ラインナップ充実の実現に動いた。