細田守監督、東京国際映画祭レッドカーペットに 「たくさんの人に観られる作品を目指す」

細田守監督、東京国際映画祭

アジア有数の国際映画祭として注目を浴びる第29回東京国際映画祭が、10月25日より六本木をメイン会場に9日間の日程で開幕した。25日夜にはEXシアター六本木にてオープニングセレモニーを開催。安倍晋三総理大臣や、映画祭のために来日した名女優メリル・ストリープらも姿を見せて、国際イベントを盛り上げた。
オープニングに先立って、六本木ヒルズ・アリーナに敷かれたレッドカーペットを正装、ドレス姿の国内外のスターや映画関係者380名が映画ファンの目の前を歩き、国際映画祭らしい華やかさを演出した。取材に集まったマスコミは757名にも達し、会場の様子はインターネットを通じてライブ配信され、会場を超えて多くのファンに届けられた。
安倍首相は、クロージン作品の『聖の青春』を主演した松山ケンイチ、オープニング作品『マダム・フローレンス! 夢みるふたり』の主演・メリル・ストリープに言葉を交わしながら映画祭に対する期待を語った。

映画ファンだけでなく、アニメファンからも注目されたのはアニメーション監督・細田守だろう。アニメーションへのフォーカスにも力を入れる映画祭のアニメ特集3年目として、2016年は「映画監督 細田守の世界」とタイトルして、監督の初期作品から映画『バケモノの子』まで一挙上映をする。細田監督は、スタジオ地図の齋藤優一郎プロデューサー/代表取締役、アニメ・特撮研究家の氷川竜介らと共に姿をみせた。
特集企画が設けられたことについて、「たくさんの(自分の)作品があるけれども、一遍に観る機会をこの場所で得ることが出来て光栄です。みなさんと一緒にまとめて振り返ることで、次にどんな作品を作るか考えられれば」と次回作への意欲を見せた。また、現在の日本アニメ業界について尋ねられると、「どんな年にも、興行に占めるアニメの位置は大きくなっています。ただ興行だけでなく、内容でもたくさんの人に観られる作品を目指して作って、存在感をアピールしたいです」とアニメ映画の持つ役割を語った。

また、今年はアニメからは、よりアニメファンに向かった特別企画「TIFFアニ!!」が設けられる。10月31日に東京国際フォーラム ホールCに、最新の話題作、人気声優が集まり、エンタテインメントのたっぷりのステージを繰り広げる。
そのなかでスペシャル映像が上映される伊藤計劃原作のSF劇場アニメ『虐殺器官の』から、ふたりの声優も登場し、映画祭を盛り上げた。クラヴィス役の中村悠一、虐殺の王ことジョン・ポール役の櫻井孝宏である。ふたりはアフレコの思い出と共に、「重厚な作品」、「演じるのが難しいハードルの高い作品だった」「アニメーションであるけれど、ひとつのドラマ」などと語った。

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