ADK、持株会社中心に組織再編 コンテンツ事業のADKエモーションズ設立

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 広告代理店大手のアサツー ディ・ケイ(ADK)が、2019年のスタートと共に事業組織の大幅再編を実施する。現在のADKを2019年1月1日付でADKホールディングス、ADKマーケティング・ソリューションズ、ADK クリエイティブ・ワンの3社に分割。さらに1月4日付で、ADKエモーションズを設立する。
 ホールディングスを純粋持株会社として、その下にマーケティング・ソリューションズ、クリエイティブ・ワン、そしてエモーションズの主要3社が置かれる。ADKによれば再編は、現在進める事業の選択と集中、専門性強化の一環となる。

 3社のうちマーケティング・ソリューションズは、コミュニケーションを中心としたマーケティング領域を担当する。従来の広告代理店業務のうち営業・マーケティング部門が中心となりそうだ。
 クリエイティブ・ワンは広告事業のうちクリエイティブの創出、そしてプロモーション領域が中心となる。企画・制作会社になる。

 注目されるのは、ADKエモーションズだ。コンテンツ事業とライツ・マーケティング、IP(知的財産)企画・プロデュースが役割だ。コンテンツの企画・制作・海外販売、さらにアニメビジネスもここに含まれる。
 ADKは「ドラえもん」、「クレヨンしんちゃん」などを担当し、アニメ・キャラクタービジネスで独自の強みを発揮することで知られてきた。コンテンツ・アニメの専門会社の位置づけになりそうだ。

 ADKは現在も本体でアニメ関連事業を抱えるほか、複数の有力企業を子会社にしている。国民的アニメとしてお馴染みの『サザエさん』を制作するエイケン、三菱商事と共同出資のディーライツ、そして深夜アニメに強さを発揮する製作会社ゴンゾである。
 新体制後の子会社の事業管轄は明らかにされていない。しかしこれらの企業がADKエモーションズのもとコンテンツ事業グループとしてまとまる可能性が濃厚だ。グループに散らばった関連事業を統合し、経営の効率化と成長を目指す。

 ADKエモーションズの代表取締役には、ADKコンテンツ事業セクター コンテンツ本部長の野田孝寛氏が就任。ホールディングスの執行役員も兼任する。
 また取締役会長には、ADK代表取締役社長・取締役会議長グループCEOの植野伸一氏。ディーライツ取締役でコンテンツ事業セクター統括補佐の和田修治氏も取締役になる。

 ADKは2018年3月に、TOBにより投資会社ベインキャピタルの傘下に入り、上場を廃止した。非上場企業として事業拡大、経営の効率化、収益の向上を目指している。今回の組織再編もその一環にあたる。

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