アニメイト 米国ロサンゼルスに今夏、新店舗オープン

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 アニメやマンガ、ゲームグッズの大手流通チェーン アニメイトが、2023年夏に米国ロサンゼルスに新店舗をオープンする。animate USAが、このほど明らかにした。詳しいオープン日時は、調整中とのこと。
 場所はロサンゼルス郡の南西部、トーランス地区にあるショッピングモール「デル・アモ・ファッションセンター」になる。トーランスは治安がよく、日本企業や日本人が多いことでも知られている。
 デル・アモ・ファッションセンターは広さ23万㎡と、全米有数の巨大ショッピングセンターとして知られている。メーシーズやノードストロームといった百貨店をはじめ、数多くの有名ショップが軒を並べる。人が多く集まる地域での相乗効果も期待することが出来そうだ。

 アニメイトは1987年創業のアニメやマンガ、ゲーム、キャラクター関連グッズ販売の最大手だ。国内に120店舗以上を持ち、年間売上高は650億円にもなる。アニメファン、アニメ業界においてもなくてはならない存在だ。
 アニメイトは日本コンテンツの海外人気が盛り上がってることから、近年は海外出店に積極的だ。早くから出店していた台湾では台北、台中、高雄の各主要都市に計3店舗、中国本土では上海に2店舗のほか広州店、北京にも販売コーナーを持つ。さらに韓国ではソウルと釜山、タイのバンコクでも展開し、東アジアを中心に多店舗展開している。いずれも業績は好調とみられる。

 米国では2001年に一度、やはりロサンゼルスに店舗進出したことがあったが、短期間で閉店した。ロサンゼルスにはアニメイトだけでなく、ブロッコリーやまんだらけなどの日本の専門店が過去に出店したことがあるが、いずれも長く続かなかった。
 作品のメインターゲットが子どもである一方で、車社会のため店舗へのアクセスは車にならざるをえないという日本とは異なる米国固有の事情もネックになっていた。ファミリー層が多いショッピングセンターはマスターゲットの場所のため、ニッチなアニメグッズ専門店とマッチしないとも見られてきた。
 このためアニメイトUSAは、これまでは通信販売に力を入れるほか、日系書籍チェーンの紀伊国屋の北米各店舗でスペースを確保することでアニメ関連書やグッズを展開してきた。またロサンゼルスのアニメエキスポなどのファンが多く集まる大型アニメイベントの店舗出展での販売にも積極的だ。
 さらに近年のアニメ人気の高まりで、キャラクターグッズのニーズは一般層にもリーチしつつある。そこで満を持してのリアル店舗の出店になる。この夏には、バンダイスピリットもニューヨーク市内に「TAMASHII NATIONS STORE」の出店を予定している。アニメ人気の高まりを軸に、日本のアニメグッズ専門店の真価が米国で問われることになる。

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