「ブレイブウィッチーズVR(仮)」をI.Gが制作、製作委員会で全世界同時配信目指す

映画ビジネスのニュース

VR(仮想現実)を活用したエンタテインメントシーンが熱い。9月15日から18日まで千葉・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2016ではVRが会場を覆い尽くしたが、次の関心は映画やアニメーションなど映像作品で実用化になりそうだ。
そこにいち早く乗り出したのが、アニメーション製作の大手・プロダクション I.Gである。プロダクション I.Gは、東京ゲームショウ2016に合わせて、VRによる新作コンテンツ『ブレイブウィッチーズVR(仮)』の制作を発表した。2016年10月より放送を開始するテレビアニメ『ブレイブウィッチーズ』のVR作品となる。ユーザーは、VRで作られた作品の世界にいるかのような経験が出来る。

テレビアニメーション『ブレイウィッチーズ』のストーリーは一方向に進むだけなのに対して、『ブレイウィッチーズVR (仮)』では、ユーザーがストーリーに介入できるのが特徴となる。作中2ヶ所のストーリー分岐点が設けられる。リアルタイムレンダリングを使うことでこれが可能になった。
長さは10分程度、完成後は、OculusRift、HTC Vive、PlayStation VRで展開、全世界同時配信を目指す。東京ゲームショウ2016では、試遊台によるデモ版の紹介もされた。

プロダクション I.Gにとっては、『ブレイブウィッチーズVR(仮)』は『攻殻機動隊 新劇場版 Virtual Reality Diver』に続く、大型VRコンテンツになる。2016年に春にリリースされた本作はその完成度の高さと約15分というVRコンテンツとしては異例の尺の長さが注目され、高い評価を獲得した。
しかし今回は、前作と異なるビジネスの仕組みも盛り込まれている。ひとつは『攻殻機動隊 新劇場版』ではアニメーション作品もプロダクション I.Gが制作していたが、『ブレイブウィッチーズVR(仮)』ではアニメーション制作はシルバーリンクが担当していることだ。他社が手掛けた作品の、VRコンテンツのみプロダクション I.Gが制作する。I.G はテレビアニメーション制作で使用される素材を活用し、効率的にコンテンツを制作する。これにより短期間でのVRコンテンツが実現する。

また、VR作品の製作にあたってはテレビアニメーションとは異なる別の製作委員会が設立される。この製作委員会には、プロダクションI.G と原作を出版するKADOKAWA、シルバーリンク、そしてテレビアニメの3DCG を制作するトライスラッシュが参加する。
プロダクション I.Gは自社作品に捉われずVRコンテンツを開発・制作をすることで、今後の成長分野でビジネス基盤を固める。さらに制作だけでなく、製作投資、配信展開をも手がけて、収益を拡大する。
それは早くからVRに進出し、制作技術やビジネスのノウハウを獲得したことが可能にする。VRの技術の進展と市場の拡大に合わせて、プロダクション I.Gの今後のビジネスも大きな可能性がありそうだ。

関連記事

ピックアップ記事

  1. COCOLORS
     独自のセルスタイルのCGアニメで、先進的な表現を追求するスタジオ、それが神風動画である。その神風動…
  2. メディア芸術クリエイター育成支援事業
    徳間記念アニメーション文化財団(三鷹の森ジブリ美術館)は、2016年12月1日より「平成 28 年度…
  3. アニメ特撮アーカイブ機構
    アニメや特撮の映像制作の際に生まれた原画やセル画、ミニチュア模型などの中間制作物の保管を目指して、映…
ページ上部へ戻る