プロダクション I.Gが企画・制作したVR映像「攻殻機動隊 Virtual Reality Diver」の海外での活躍が続いている。2018年10月4日から14日までスペインで開催される第51回シッチェス・カタルーニャ国際ファンタスティック映画祭のコンペティション作品に本作が選ばれた。
国際映画祭では、先日開催されたヴェネチア国際映画祭でも「Best Of VR」に選出されている。グローバルな活躍と評価が際立っている。
シッチェス映画祭は1968年に始まる国際映画祭で、SF、ファンタジー、アニメーション、ホラー、サスペンス、アクションなどジャンル映画に特化したのが特徴だ。ファンタスティック映画祭のなかでは、国際映画製作者連盟が唯一公認している。期間中の上映作品は約200本、参加者数は10万人を超える。
「攻殻機動隊 Virtual Reality Diver」が上映されるのは、映画祭が昨年より設けているSitges Cocoon VR部門での選出である。近年のVR/ARに対する関心の高まりから2016年に新設、新世代の映像をいち早く取り込もうとする映画祭の戦略部門となっている。その中での選出は、本作の映像表現が世界の先頭を走っていることの現れでもある。
「攻殻機動隊 Virtual Reality Diver」の作品の完成は2016年。これまでもイベントでの展示・体験から、複合カフェでの視聴、スマートフォンアプリ配信、プラネタリウム投映といった様々なメディア展開してきた。時代の変化がとりわけ早いジャンルで、すでに確たる地位を築いている。
評価の高さは、VRアニメのあり様にひとつの方向性を示している。また映像クオリティの高さに加えて、作品の持つ世界観と重なりや、ストーリー性はエンタテイメントの豊かさも特徴だ。VR普及のキラーコンテンツのひとつと言っていいだろう。
『攻殻機動隊 Virtual Reality Diver』
[スタッフ]
原作: 士郎正宗「攻殻機動隊」(講談社 KC デラックス刊)
クリエイティブディレクター: 浅井宣通
構成: 藤咲淳一
キャラクターデザイン: 黄瀬和哉
企画: Production I.G
監督: 東弘明