国内では2018年夏に東宝系全国公開された『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』が、米国でも公開され好評を博している。9月25日に公開された本作の興行収入が、9月30日までに393万4746ドル、約4億4000万円に達した。
米国で公開された日本の劇場アニメとしては、『もののけ姫』や『メアリと魔女の花』などを上回り歴代13位につけた。2017年4月の『君の名は。』以来のヒットとなる。
また米国で公開される全ての映画を対象としたBOX OFFICE MOJOの集計するデイリーランキングでは、公開日の9月25日(月)に第5位で登場、26日(火)と27日(水)はいずれも第3位と日本アニメとしては記録的な結果となった。動員が膨れ上がる土曜日29日でも第9位となった。
米国の映画興行では、通常は全米公開として3000スクリーンから4000スクリーンで上映される作品が上位を占める。そのなかで『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』のスクリーン数はわずか500あまり、配給も日本アニメ専門の中小配給会社のファニメーションだった。予想を大きく超えた結果である。
一方で、こうした公開規模の限界が、興行を制約した面もある。ファニメーションの当初の予定では、米国公開は北米500スクリーンで5日間限定というものだ。9月25日、27日、29日が英語吹替え版、9月26日、10月2日が日本版英語字幕である。デイリーランキングのぶれの大きさは、こうしたイレギュラーな公開形式が影響している。
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE』は9月28日(金)から30日(日)の週末興行でも、135万5972ドルで11位につけている。しかし、実質公開日は週末3日間のうち9月29日(土)の1日のみ、ほぼ1日のみの興行で11位につけた。それを念頭におけば、こちらも驚異的な記録である。
気になるのは今後の動向だ。当初の予定では、あとの上映日は10月2日(火)を残すのみ。ここでさらに上積みをすれば500万ドル前後、5億円突破が視野に入る。そうなれば2005年の『ハウルの動く城』の471万ドル、2017年の『君の名は。』の501万ドルを超えてくる。
さらに興行成績を伸ばす可能性は、予想を超えた好調を受けて、公開日数や公開劇場を拡大をした場合だ。配給のファニメーションは、2015年に『ドラゴンボールZ 復活の「F」』が予想を超える大ヒットをした際に公開日数、上映館を拡大したことがあるからだ。