世界の傑作が並ぶ長編コンペ作品発表 新千歳空港国際アニメーション映画祭

新千歳空港国際アニメーション映画祭

 2018年11月2日から5日まで、北海道で開催される新千歳空港国際アニメーション映画祭が今年で5年目を迎える。国際空港を会場にした異色の映画祭は、その規模も認知度もますます拡大している。
 2018年の話題のひとつとなるのが長編コンペティション部門の新設だ。その長編部門のコンペティション作品が10月1日に発表された。

 長編コンペティションは第1回目にも関わらず、世界25ヵ国・地域から49作品のエントリーがあった。その中から5作品を選び出した。競争率は10倍という狭き門である。
 その結果、すでに世界各国で高い評価を受けている作品が多く並んだ。『FUNAN』はアヌシー国際アニメーション映画祭のクリスタル賞(グランプリ)、台湾の『On Happiness Road』は東京アニメアワードフェスティバルのグランプリ、『This Magnificent Cake!』は先日のオタワ国際アニメーション映画祭でグランプリに輝いたばかりだ。
 『生きのびるために/The Breadwinner』はアイルランドの有名スタジオCartoon Saloonの最新作。アニー賞の長編部門(インディペンデント)受賞、米国アカデミー賞ノミネートなどで高い評価を受けている。世界の珠玉の傑作が新千歳に集まることになる。

 一方、日本からは安良井澄子、黒柳トシマサ両監督の『少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR YOU- 完全版』が選ばれたのが異彩を放っている。深夜アニメ発、熱心な女性ファンに支えられた作品で、クラウドファンディングの大きな成功も話題を呼んだ。コンペティションにおける多様性も含めて注目される。
 長編コンペティションの国際審査委員は、フランスのエマニュエル=アラン・レナール氏、中国のリ・ハオリン氏、そして日本のアニメーション作家の冠木佐和子氏が務める。受賞結果は映画祭の最終日、11月5日に発表される。

新千歳空港国際アニメーション映画祭
http://airport-anifes.jp/

[長編部門 コンペテイション作品]

『FUNAN』  (監督:Denis DO) ベルギー、カンボジア、フランス、ルクセンブルグ
『On Happiness Road』  (監督:SUNG Hsin-Yin) 台湾
『少年ハリウッド -HOLLY STAGE FOR YOU- 完全版』 (監督:安良井澄子、黒柳トシマサ) 日本
『The Breadwinner』 (監督:Nora Twomey) アイルランド、カナダ、ルクセンブルグ
『This Magnificent Cake!』 (監督:Marc James Roels、Emma De Swaef) ベルギー、フランス

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